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関税ショックに国政空白も重なり…韓国の格付け「赤信号」

登録:2025-04-08 07:18 修正:2025-04-08 08:03
KOSPIが前場より137.22p(5.57%)下がった2328.20の終値を記録した7日午後、ソウル中区ハナ銀行で、ディーラーたちが業務を行っている/聯合ニュース

 10年近く堅調だった韓国の国家格付けをめぐり、不安が高まっている。通商秩序を揺るがすトランプ・リスクに加え、大統領罷免と早期大統領選にともなう国政空白のリスクが重なったためだ。韓国政府は「格付け死守」を叫んでいるが、国際格付け機関は不安な視線を向け続けている。

 7日の企画財政部と国際金融センターによると、韓国のドル建て外国為替平衡債権(5年物)のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)プレミアムがここのところ急上昇している。この日午後3時時点のCDSプレミアムは49.46bp(ベーシス・ポイント、1bpは0.01%)で、前日比で4bpほど上昇した。米国による相互関税発表から3日間での上昇幅は、12.21bp(32.7%)に達する。この数値は国の格付けの行方を示す指標だ。昨年12月の非常戒厳宣布翌日の4日のCDSプレミアムは35.75bpだった。韓国経済の基礎体力を示す韓国ウォンのレートも、最近は1ドル1470ウォン前後で推移している。内乱事態と米国の関税リスクが重なり、過去3カ月間の上昇幅は65ウォン(月平均・日中取引終値基準)となっている。

 世界3大格付け機関は、韓国の国政空白と関税ショックが韓国経済に及ぼす影響に鋭意注視している。S&P(韓国の国家格付けはAA・安定的)は4日に公開した報告書で、「トランプ相互関税はその規模と範囲において過去100年間に経験したことのない衝撃的な事件」だとしたうえで、「自動車関税と相互関税の衝撃によって、米国との貿易の割合が大きい韓国、日本、ベトナム、台湾、インド、タイが最も強い経済的逆風にさらされることになるだろう」と診断した。先月に韓国を訪問して調査を行った同社は、早ければ今月中にも韓国の国家格付けを改定する予定だ。

 ムーディーズとフィッチの視線も不安だ。一例として、ムーディーズは、先月18日に公開した韓国信用度定期検討報告書で、「韓国の実質成長動力が持続的に減少する中、国内の政治状況によって経済政策が損なわれ、経済活動心理が萎縮している。情報技術(IT)産業のサイクルが鈍化し、トランプ関税の脅威で輸出も不振に陥っている」と指摘した。

 これまで国際格付け機関は、急激な人口高齢化や政府・家計の負債増加などを韓国経済のリスクとして挙げてきたが、韓国の格付けと格付け見通しは10年近く変更しなかった。他国から受け取る資金(純債権国)の方が支払う資金より多く、主力の輸出産業が堅調で、相対的に財政健全性が良好だという理由からだった。

 しかし、トランプ大統領が仕掛ける新たな通商秩序では、これまで韓国の強みとされてきた輸出中心構造とグローバル・ソーシング(国際調達)が、むしろ弱点として浮上した。3日にフィッチが2007年から維持してきた中国の国家格付けを「A+」から「A」に下方修正した中心的な根拠の一つも、トランプ大統領の関税ショックにともなう通商秩序の変化だった。

 韓国政府は「国家格付け死守」を強調する。政府は1月23日「汎部処(省庁)国家格付け対応協議会」を設け、今年の世界格付け機関を対象にした「共同メッセージ」を作成した。格付け機関の主なチェックポイントである経済成長、外交、金融、産業、少子高齢化など5つの部門に分け、主務官庁と協力官庁を指定して備えている。

チョ・ゲワン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1191193.html韓国語原文入力:2025-04-08 01:00
訳M.S

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