中国が北朝鮮産石炭の輸入を電撃的に中断した。
具体的背景は明らかにされていないが、表面的理由は「国連安全保障理事会(安保理)決議履行」を挙げた。これは今回の措置が新しいものではなく、既に予告されていたことを意味する。しかし同時に、中国が“確固たる”履行意志を対外的に誇示し、北朝鮮と米国を圧迫する意図も伺える。北朝鮮の最近のミサイル発射実験との関連性も注目される。北朝鮮産石炭の最大輸入国が中国であるため、北朝鮮としては相当な打撃になりうる。
中国商務部は18日、ホームページにあげた“12号”公告文を通じて、「安保理決議2321号履行のため、対外貿易法と関連公告に基づいて今年度朝鮮産石炭輸入を暫定中断する」と明らかにした。輸入中断措置は今月19日から今年末(12月31日)までと商務部は付け加えた。今回の措置は2321号が規定する北朝鮮産石炭輸出制限と関連があるとみられる。昨年11月末に国連安保理が採択したこの決議は、今年から年間4億ドルまたは750万トンを超える北朝鮮産石炭の輸入を禁止している。
ただし、中国は今年に入ってからの50日間に、北朝鮮産石炭をどれくらい輸入したかは明らかにしなかった。北京外交消息筋は「中国当局が1月と2月初めに輸入推移を見たところ、年間制限量を超えそうだという判断により先制的措置を取った可能性がある」と話した。決議は昨年12月、北朝鮮産石炭に対しても年末までに5350万ドルまたは100万トンという輸入上限を設けたが、中国は12月が3分の1しか過ぎていない10日に一時中断措置を下したことがある。それでも輸入量はすでに上限の2倍にあたる200万トンに達していた。専門家らは輸入業者が制裁を考慮して輸入を急いだという解釈を出しもした。今年の輸入上限である750万トンは2015年の合計輸入量(1960万トン)の38%で、昨年12月と同じ現象が起きうる。しかし、12日に北朝鮮が中長距離弾道ミサイル「北極星2型」を発射した後に安保理が全員一致で報道声明を採択するなど敏感な時点で出された措置である点も注目を集める。
ドイツ、ミュンヘン安保会議に出席中の王毅・中国外交部長は17日「私たちは安保理決議を厳格に執行し、特に2270号と2321号は実質的効力を発揮する」としつつも「同時に対話に復帰しようとする努力を放棄してはならない。米朝両国が最も直接的な当事国であるから、政治的決断を最大限早い時期に出す必要がある」と話した。