米国の代表的な現実主義的対北朝鮮交渉派のウィリアム・ペリー元米国防長官が、北朝鮮と積極的な交渉に取り組みつつ、交渉の失敗に備えて北朝鮮ミサイルの公海上での撃墜のような「プランB」(最悪状況での対応計画)も検討しなければならないと明らかにした。「大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発が最終段階に到達した」という北朝鮮の新年辞の発表以降、米国の交渉派も「プランB」を公式に取り上げるほど、北朝鮮の核・ミサイル能力増強に対する米国の懸念が広がっていることを示すものと解釈される。
ペリー元国防長官は9日(現地時間)、米ワシントンで北朝鮮専門メディア「38ノース」主催で開かれた記者懇談会で「時間は我々の味方ではない。忍耐の時間は終わった」とし、北朝鮮のミサイル脅威に積極的に対処しなければならないと注文した。ペリー元長官は、北朝鮮の核兵器を放棄させる交渉は「時間の浪費であるだけ」とし、「北朝鮮はそのように(核放棄を)しないだろう」と見通した。元長官は危険をなくす交渉ではなく、危険を減らす交渉を行うべきだとし、追加核実験の禁止▽追加大陸間弾道ミサイル実験の禁止▽核技術の移転または搬出の禁止など、3つの議題をめぐり対北朝鮮交渉を始めなければならないと提案した。
ペリー元長官はさらに「交渉は成功すると思うが、確信はできない」とし、核施設の爆撃には反対するが、北朝鮮の弾道ミサイルの大気圏再突入技術の獲得を阻むため、公海上での北朝鮮ミサイル撃墜などを含む「プランB」を一緒に検討すべきだと明らかにした。元長官はこの他にも、自分が好む代案ではないことを前提にしながらも交渉の失敗に備え、対北朝鮮制裁強化▽韓国と日本でのミサイル防御戦力強化▽韓国に米軍の核兵器の再配置などを含む在韓米軍戦力増強を対応策として提示した。
ペリー元長官はビル・クリントン政権時代の1994年から1997年まで国防長官を務め、1998年にクリントン大統領から北朝鮮の核・ミサイル問題を解決するための対北朝鮮政策調整官に任命された後、南北訪問などを通じて翌年10月、対北朝鮮包容を基調とした超党派的「ペリー報告書」を提出した。