「大陸間弾道ミサイルの開発が最終段階に達した」という北朝鮮の年頭メッセージに対し、ドナルド・トランプ米大統領当選者がツイートを通じて警告のメッセージを送った中、米国政府は、北朝鮮がまだ核弾頭を弾道ミサイルに搭載する段階には至っていないという認識を明らかにした。
ジョン・カービー米国務省報道官は3日(現地時間)、定例ブリーフィングを通じて「北朝鮮は核と弾道ミサイルの技術を同時に追求している」としたうえで、「(しかし)現時点で、北朝鮮が核弾頭を弾道ミサイルに搭載する能力を備えているとは思わない」と述べた。これに先立ち、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長は年頭メッセージを通じて「大陸間弾道ロケット(弾道ミサイル)発射実験の準備事業が最終段階に入っている」と主張し、これに対してトランプ氏は2日、「そのようなことは起こらない」として、牽制球を投げた。
ホワイトハウスのジョシュ・アーネスト報道官も同日ブリーフィングで、北朝鮮の核・ミサイル開発状況と関連し、「評価は変わっていない」として従来の立場を再確認した。国務省とホワイトハウスのこのような反応は、情報の評価に基づいたものであると同時に、北朝鮮とトランプ当選者の攻防が消耗的な緊張をもたらす可能性を憂慮した結果とみられる。
トランプ氏の参謀陣は同日、補足説明に乗り出したが、具体的な解決策は示さなかった。ホワイトハウス報道官に内定したショーン・スパイサー氏はメディアカンファレンスコール(電話会議)で「もう一度言うが、(トランプ当選者が言った通り)それは自明のことだ。トランプ当選者は自分の任期中にそのようなこと(核ミサイル開発)が起こらないよう確実に対応する」と強調したのみだった。
CNNは同日、専門家たちの話を総合し、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル開発を阻止するためのトランプ政権の選択肢として、4つを提示した。まず、「中国への圧迫」は中国の反発で危険をもたらす恐れがあり、「対北朝鮮制裁の強化」はあまり効果がなかっただけでなく、「軍事攻撃」も韓国に被害が及ぶことから実現が難しいと診断した。最後に「金正恩との対話」は米国人が反発する可能性があるが、実現すれば、大きな突破口を作り出せると、CNNは予想した。結局、”対話”をほぼ唯一の解決策として提示したのだ。
一方、CNNは3日、最近、在韓米軍が北朝鮮の攻撃など有事の際に韓国に居住する米国の民間人を避難させる訓練を実施したと報じた。同放送が同行取材したこの訓練は、昨年10~11月、ソウルに駐屯中の米軍の家族などを対象に実施された。ヘリコプターと軍用機を動員して1泊2日にわたって彼らを日本の沖縄米軍基地に移動させるものだった。この訓練は定期的に実施されてきたが、民間人を実際に在日米軍基地まで避難させたのは2010年以来初めてだ。
韓国語原文入力:2017-01-04 16:54