韓国国防部が30日、THAAD(高高度防衛ミサイル)システムを配備する代替敷地として慶尚北道星州(ソンジュ)郡ロッテスカイヒルゴルフ場を選定したところ、中国国営メディアが報復措置を取り上げ、再び「THAAD反対」の声を強めている。
中国共産党機関紙の人民日報は1日付の社説に当たる「鐘声」で「米韓が中国を含む域内国家の戦略的な安保の利益に損害を与えるならば、当然払うべき対価を払い、当然受けるべき反撃を受ける運命となるだろう」とし、「中国人は元来言ったことは守る。今回も例外ではない」と警告した。また「米韓は必ず現実感を回復しなければならず、朝鮮半島は冒険の(危険を冒す)舞台ではなく、米韓がそのようなリスクには耐えられないだろう」と報じた。
この記事は、北朝鮮の核・ミサイルの脅威がTHAAD配備の理由だとする韓国政府の主張に反論しながら、レーダー探測距離が1000~2000キロメートルに至るTHAADは朝鮮半島の防御の需要を超えるという従来の立場を再確認した。また、朴槿恵(パク・クネ)大統領が最近、韓米同盟とTHAADの配備を強調して言及した「拡大抑止能力」について、「数年間の形勢をみると、いわゆる『拡大抑止能力』はただ対抗力を高め、(朝鮮)半島の安保形勢を一層厳しい危険に追いやり、韓国の安保はさらに大きな衝撃を受けるだろう」と主張した。この記事は韓国のTHAAD配備に対する反対世論も紹介した。
1日から7日間続く国慶節の連休2日目である2日、国営の中央テレビジョン(CCTV)は、韓国のTHAAD配備の敷地の再選定を主要ニュースとして扱った。慶尚北道金泉(キムチョン)の住民らの抗議デモやインタビュー、円仏教側の抗議などを詳しく報じるなか、アンカーは「韓国政府は国会批准も得ず、住民らの同意も得ないままTHAAD配備の敷地を選定した」と伝えた。国営チャイナ・デイリーは1日、関連記事で「韓国のTHAAD配備計画は、北朝鮮だけでなく中国の怒りも買った。中国はTHAAD配備によって米国のレーダーが自国のミサイルを一層追跡するだろうと疑っている。ロシアも配備に反対している」と報道した。
中国は、THAAD配備の敷地変更を発表する1日前の先月29日の国防部報道官ブリーフィングと、チャイナ・デイリー社説を皮切りに、反対の声を連日報道している。7月のTHAAD配備決定後、人民日報はTHAAD配備に反対する内容の「鐘声」を4回も連載した。