米国が南シナ海で中国と領有権紛争を続けるフィリピンに、近いうちに軍を再駐留させる。米国とフィリピンは18日(現地時間)、ワシントンで高位級戦略会談を開き、今後10年間、米軍がフィリピンの空軍基地4か所と海軍基地1か所を使用することに合意したと発表した。米国がフィリピンに軍を駐留させるのは、1991年にフィリピン議会が米軍駐留延長案を否決したことを受け、翌年に米軍が撤収して以来、24年ぶりのことだ。
米軍の今回の決定は、2014年に両国が締結した防衛協力拡大協定に基づくものだが、中国の南シナ海掌握を牽制し、オバマ政権の「アジア再均衡」戦略を支えるための軍事的措置とみられている。特にパラワン島のアントニオ・バウティスタ空軍基地は、フィリピンと中国との間で領有権紛争が生じているスプラトリー諸島(南沙諸島)と非常に近い距離に位置しており、軍事的緊張が高まる恐れがある。
アシュトン・カーター米国防長官は、具体的な実施案を協議するために来月フィリピンを訪問する。フィリピン駐在のフィリップ・ゴールドバーグ米国大使は、米軍の現地配置の日程は特定できないとしながらも、「人材と物資の輸送が非常に迅速に開始されると思う」と述べたとAP通信が報じた。
これに先立ち、中国の王毅・外交部長は先月、ジョン・ケリー米国務長官との会談で、中国が南シナ海で軍事力を展開することは、米国がハワイに軍事力を配備するようなものだとして、南シナ海に対する軍事的統制の意図を明らかにした。
韓国語原文入力:2016-03-21 19:57