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南シナ海周辺国で潜水艦の軍拡ドミノ 原潜持つ中国が脅威に

登録:2015-12-23 08:00 修正:2015-12-23 09:01
ベトナムがロシアから購入した6隻のロシア製キラー級潜水艦のうち4隻目の潜水艦が6月、カムラン港に到着し進水式が行われている=資料写真//ハンギョレ新聞社

ベトナムとフィリピンはロシア製を交渉
刺激を受けたタイは中国製購入予定
日本も海外への兵器販売に乗り出す

 南シナ海の領有権などでアジア地域の緊張が高まり、関連国が潜水艦戦力の強化を中心にした軍備増強競争を行っていると「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」が21日報じた。

 同放送は英国の戦略防衛情報(SDI)が8月に出した報告書を引用し、アジア太平洋の潜水艦市場の規模は現在73億ドル水準だが、10年後には110億ドルに成長する見込みだと伝えた。これは同地域がヨーロッパを抜き、米国に次ぎ世界で2番目に大きな潜水艦市場になることを意味する。報告書は最近増加傾向を示す同地域の国防費支出のうち、特に潜水艦の比重が最も大きいと分析した。

 アジア太平洋地域で潜水艦市場が成長している主な背景は、南シナ海、太平洋、インド洋における衝突の危険と潜在的脅威にあると報告書は説明する。特に、原子力潜水艦や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を備えた中国の存在感が周辺国の脅威となり、これに対抗する戦略兵器として潜水艦が関心を集めている。報告書を作成したスラバン・コランターラ研究員は「中国が南シナ海における領有権主張を持続的に強化し、潜水艦部隊を現代化させているので、インド、日本、台湾、オーストラリア、ベトナムなどで潜水艦需要が発生することになった」と分析した。

 ここ数年間で海上領有権紛争が可視化され、各国の潜水艦戦略の強化が互いを刺激して速度を増している。ベトナムは2009年にロシア製キラー級潜水艦3隻を購入したのに続き、3隻を追加で購入した。フィリピンとインドネシアもロシア製潜水艦の購入協議に入った。周辺国に刺激を受けたタイは、中国製潜水艦3隻を購入する予定だ。こうした雰囲気の中、日本もそうりゅう型潜水艦をを中心にした海外への兵器販売に乗り出した。報告書は潜水艦開発など市場成長を主導する国として、中国、インド、オーストラリアそして韓国を挙げた。

 軍備増強が続き、関心は武力衝突の可能性に集まる。香港・嶺南大の張泊匯(チャン・バオフイ)教授は「南シナ海での武力衝突の可能性は、中国が米国の自由航行権の主張にどう対応するかにかかっている」と述べている。だが戦略兵器とみなされる潜水艦市場の成長の勢いは今後も着実に続く見込みだ。報告書は米国が今後10年間に1022億ドル、ロシア・英国・フランスなど原潜保有国が多いヨーロッパ地域が同期間に763億ドルを潜水艦市場に投じると見通した。

中国が南シナ海の海軍力増強のため2014年に海南島海軍基地に配備した核弾頭発射可能な3隻の潜水艦のうち1隻が南シナ海で巡回監視活動をしている=資料写真//ハンギョレ新聞社

キム・ウェヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-12-22 20:12

https://www.hani.co.kr/arti/international/asiapacific/723069.html 訳Y.B

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