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米中対立によるアジア太平洋軍拡競争の裏で笑う米軍需産業

登録:2016-02-23 01:16 修正:2016-02-23 16:38
アジア太平洋地域の軍備増強
2011~2015年の地域別の兵器輸入の割合(左、資料:ストックホルム国際平和研究所、単位:%)。2011~2015年の世界10大兵器輸入国が全体に占める割合(右、単位:%)//ハンギョレ新聞社

10大兵器輸入国のうち6カ国占め 

インド、中国、オーストラリアなど...韓国も10位 
中国の軍事力の増強により周辺国ドミノ 
5年間で兵器輸入が26%も急増 
ウォールストリート・ジャーナル「景気鈍化にも軍備減少せず」 

 中国の浮上とアジアの主導権再編をめぐり起きている米中間の対立が、域内軍備競争を触発していることが分かった。

 22日、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が発表した資料によると、2011〜2015年に全世界で兵器の輸入規模が最も大きかった10カ国の中に、インド、中国、オーストラリア、パキスタン、ベトナム、韓国など、アジア・太平洋圏の6カ国が含まれた。韓国は、この期間中、全世界の兵器輸入額の2.6%を占め、10位だった。

兵器輸出、米独走...中国浮上 

米国が33%を占め...軍需産業好況 
最近5年間の96カ国に販売、支援 
中国も5.9%...ロシア続いて3位に 

 アジア・太平洋地域の兵器輸入は、2006〜2010年に比べて26%も急増した。世界中の兵器輸入量の46%を占める巨大な規模だ。最大の兵器輸入10カ国のうち、残りの4カ国は、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、トルコなど、中東圏の3カ国と米国だった。ストックホルム国際平和研究所側は、「中国が兵器の輸入と国内開発を通じて軍事的能力を強化し続けている。これに対抗し、インドやベトナム、日本など周辺国もかなりのレベルで軍事力を増強している」と明らかにした。

 経済成長の鈍化などによる経済的危機感の中でも、アジア・太平洋地域の軍事費支出は増えている。 米紙ウォールストリート・ジャーナルは、「国の購買力は経済力と連動しているが、アジア・太平洋諸国は、原材料価格の下落と中国の成長鈍化に伴う圧力にもかかわらず、軍事費を減らしていない」と指摘した。イギリスの国際戦略研究所(IISS)も最近出した報告書で、「昨年の景気低迷の流れがアジア・太平洋地域の軍事支出はほとんど影響を与えなかった」と明らかにした。同研究所は昨年、アジア・太平洋地域全体の国内総生産(GDP)に対する軍事費の割合が1.48%で、2010年以来、最大値を記録したと発表した。

 特に、韓中日とインドネシアが昨年軍備増強計画を発表して注目を集めたと国際戦略研究所は指摘した。朴槿恵(パククネ)大統領は昨年10月、国会施政演説で「北朝鮮による挑発の可能性と、朝鮮半島をめぐる安保不安要因に効果的に対処するために、来年度の国防費の増加率を総支出の増加率(3.0%)よりも高い4.0%と策定した」と述べた。日本は4年連続で防衛予算を増額し、昨年末、史上初めて5兆円を超える防衛予算を編成した。当時の自衛隊内では「対中国抑止力の向上」という評価が出てきた。

 中国も事情はあまり変わらない。習近平・中国国家主席は昨年9月の戦勝節70周年記念の軍事パレードで行った演説で「30万兵力の削減」を宣言し、最近相次いで軍の組織改編を断行したが、国防予算は大幅に増えるものと見られている。今月16日、ロイター通信は、中国が来月の全国人民代表大会(全人代)で発表する今年の国防予算増加率が二桁になると予想した。同通信は、匿名の軍関係者を引用して、兵力を削減による軍の不満を和らげ、南シナ海の領有権紛争などの懸案に対処するための計算に基づいたものであると伝えた。中国は、2011年以来、着実に国防予算を10〜12%ずつ増やしてきた。

 兵器輸出では、米国の独走が続いているが、中国の浮上も注目に値する。ストックホルム国際平和研究所の資料によれば、米国は、2011〜2015年の期間の間、全体の兵器輸出量の33%を販売し、2位のロシア(25%)を大きく引き離した。さらに、ウクライナ事態と西側の制裁で、2年間連続で輸出が減ったロシアとは異なり、米国の軍需産業は好況期を迎えたように見える。ストックホルム国際平和研究所は「米国は最近5年間で、少なくとも96カ国に兵器を販売・無償支援しており、米国の軍需産業は、9カ国に最先端のステルス戦闘機、F35を 611台輸出するなど、大規模な輸出関連取引を進めている」と明らかにした。中国は全体の兵器輸出の5.9%を占め、フランスやドイツ、イギリスを抜いて3位に浮上した。

北京/キム・ウェヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-02-22 19:14

https://www.hani.co.kr/arti/international/america/731513.html 訳H.J

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