中ロ「東欧MDのような脅威
グローバルバランス・安定性を危うくする」
韓国、3大核大国の激戦場に
朝鮮半島の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備問題が、米中ロの3大核大国間の世界安全保障戦略をめぐる問題に発展している。
中国とロシア外相が11日の会談で、朝鮮半島のTHAAD配備は、東欧のミサイル防衛(MD)システムのような脅威だと規定したことで、THAAD配備問題が新たな局面に入っている。これは、中ロにとりTHAADが朝鮮半島周辺情勢に影響を及ぼす軍備ではなく、自国の世界安保戦略を脅かす軍備として受け止められていることを意味する。
東ヨーロッパのMDは、2000年代以降、米国とロシアの間の長いグローバル軍備競争の最大の懸案であり、今もロシアの激しい反発を買っている。MDと北大西洋条約機構(NATO)の拡張は、ロシアが2014年にクリミア半島の合併とウクライナ内戦を引き起こした主な背景でもある。
会談後、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、朝鮮半島のTHAAD配備は「北朝鮮の現在の行動を考慮しても、規模の面で北朝鮮から出てくると考えられるすべての脅威を超えたもの」とした上で、「米国がヨーロッパに構築しているミサイル防衛システム(の能力)も、彼らが当初構築の名分に掲げた脅威と比較にならないほどのものである点では同じだ」と批判したとロシアのタス通信が報じた。またラブロフ外相は「私たち(ロシア)は、この両方向(朝鮮半島のTHAADと東ヨーロッパのMD)とも、グローバルバランスと戦略的安定性を危うくする恐れがあると考えている」とし、「そのような計画が不当であると提示するつもりであり、米国のパートナーに率直で開かれた対話を求める」と述べた。
ラブロフ外相は特に、「イランや北朝鮮を口実にするのは真の対話に必要ない」と強調した。米国がイランの核開発の脅威を東ヨーロッパMD構築の名分に掲げたように、北朝鮮の核開発の脅威をTHAAD配備の名分とすることは容認できないという主張だ。
王毅・中国外交部長もTHAADが「防御的な目的を超えている」と主張した。王部長は「韓国の(北朝鮮のミサイル防衛という)合理的な国防の必要性は認めるが、THAADはその必要性をはるかに超える」とした上で、「THAADは中ロの戦略的安全保障の利益を脅かすもの」と非難した。
これに対してジョン・カービー米国務省報道官は、米国は北朝鮮の挑発的行動のためにTHAAD配備の可能性をめぐり、韓国と協議しているとしながら、「配備されるかどうかは分からないが、もし配備されるとしたら、純粋に防御的であるため、中ロが懸念する理由はない」と述べた。中ロがTHAADを東欧MDと同じ次元で対応する場合、朝鮮半島をめぐり3大国がこれからさらなる対立を繰り広げるものと見られる。
米国が2002年から進めてきた東欧でのMD構築は、ロシアの激しい反発に遭い、これまで数回の修正を余儀なくされている。米国はポーランドに長距離迎撃ミサイル基地を設置し、チェコ共和国にレーダー基地の建設を計画していた。これに対しロシアが、ポーランドとリトアニアの間に挟まれた自国領土のカリーニングラードに中距離ミサイルを配備すると対抗したことを受け、オバマ政権は計画の一部を修正した。しかし、米国は依然として、ポーランドの陸上ミサイル防衛基地の設置をあきらめていない。ロシア側は、ミサイル防衛設備が稼動されている地域が優先的な対応の対象となると公言している。
韓国語原文入力:2016-03-13 19:44