登録 : 2016.03.10 02:10 修正 : 2016.03.10 07:55

国連決議案採択以降

「双龍訓練」に参加した韓米の海軍艦艇が8日、東海上で海兵隊の兵力と上陸装備を敵後方に投射するための護送起動を行っている。訓練は韓国海軍の独島艦と米海軍のボノムリチャード鑑など艦艇30隻と航空機70機など大規模な戦力が参加し8日まで続く=海軍提供//ハンギョレ新聞社
THAAD、羅津ハサン・プロジェクトなど 
韓国、中ロと相次いで関係悪化 
北東アジア協力が困難に 
北朝鮮核問題の解決にも否定的な影響

 「史上最強」とされる国連安全保障理事会(安保理)の新たな北朝鮮制裁決議2270号の採択以降、韓米と中ロの政府が異なる方向に向け動き出している。韓米が合同軍事演習と独自の北朝鮮制裁案で北朝鮮への「強圧」に焦点を当てる中、中ロが朝鮮半島情勢の緊張を問題視して、強力な警告音を鳴らしている。特に、安保理決議採択後、強硬な対応にこだわる韓国政府の姿勢と、「制裁+情勢の安定+対話交渉」のバランスの取れた推進を求める中国政府の要求が、真っ向から対立しており、朝鮮半島情勢にどのような影響を及ぼすか注目される。北東アジアの主要国が方向性の異なる動きを見せている中、安保理決議の「調整された移行への協力」が困難になる可能性も指摘されている。

 何よりも、朝鮮半島情勢の不安定が沸騰点に近づいている。韓米が北朝鮮に対する単独の制裁を発表し(米国は3日、韓国は8日)、「史上最大規模」の軍事演習キーリゾルブ・イーグル(7日〜4月30日)に突入したことを受け、北朝鮮は「新型大口径放射砲試験射撃」(3日)と「核弾頭を軽量化して弾道ロケットに合わせて標準化と規格化を実現」(9日、金正恩<キムジョンウン>労働党第1書記)の主張などで対抗した。韓米は5日、中ロが断行に反対する高高度防衛ミサイル(THAAD)配備問題を協議するための共同実務団約定の締結式を強行した。

 情勢が緊迫する中、中国政府が異例にも強い“発言”を相次いで行いながら、対応に拍車をかけている。王毅・中国外交部長は9日、ジョン・ケリー米国務長官と電話会談を行った。中国外交部は「中米関係と朝鮮半島情勢など国際・地域問題について意見を交わした」として、具体的な言及を控えたが、どのような内容が協議されたかは容易に推察できる。王毅部長は8日、両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)の記者会見で、「目の前の(朝鮮)半島情勢は『剣は抜かれ、弩は張られている』(劍拔弩張、一触即発の状態)状況で、火薬の匂いが立ち込めている」とした上で、「緊張が高まり、統制が失われると、各方面(各国)は、すべて災難に見舞われるだろう」と警告した。このような認識に基づく中国政府の対応は、大きく分けて二つだ。第一に、緊張を高める勢力に対する厳重な警告を行うこと、第二に、対話と交渉へ向けた早期の局面転換に努力を求めることだ。

 王毅部長は、「中国は(朝鮮)半島の安定が根本的に破壊されることを座視できないだけではなく、中国の安全利益が損なわれることも容認できない」と警告した。北朝鮮の武力挑発の抑制と共に、韓米軍事訓練に狙いを定めた発言だ。ロシア外務省も7日、北朝鮮の「先制核打撃」の主張を非難する一方で、「北朝鮮は自国の安全保障に相応の不安を感じざるを得ないだろう」としながら、韓米の軍事訓練を批判した。また王毅部長は、会話と交渉を求め、「(朝鮮半島の)非核化は国際社会の目標であり、平和協定への切り替えは、朝鮮(北朝鮮)の合理的な関心事」とした上で、「両者を同時に交渉し、段階的に進めることで、包括的に解決すべきだ」と述べた。その具体策として、「3カ国や4カ国、5カ国接触などを含め、朝鮮半島問題を交渉のテーブルにつかせるのに役立つなら、私たち(中国)はいかなるものも排除しない」と強調した。中国高官が「3カ国、4カ国、5カ国接触」を公開的に言及したのは極めて異例のことだ。これは、王毅部長が2月17日に「非核化と平和協定の同時推進」を初めて公式提案する際、「適切な時期に具体的な協議ができること望んでいる」と述べたことよりも、さらに迅速に対話・交渉局面への転換を図るためのものと思われる。

 中国外交部は、朝鮮半島問題について王毅部長が行った両会の記者会見の内容を、「制裁は必要な手段であり、安定は緊急の課題であり、談判(交渉)は根本的な道」という見出しを付けてホームページに載せた。洪磊・中国外交部報道官も7日の定例ブリーフィングで、「安保理決議は、バランスよく執行すべきであり、特定の片方(制裁)の方向だけが突出してはならない」と強調した。「制裁+情勢の安定+対話交渉」の3拍子を揃えて進めるべきだということだ。要するに、6カ国協議の議長である中国の武大偉・朝鮮半島事務特別代表が最近の訪韓で重ねて強調した「安保理決議の全面的履行」とは、韓国政府の誤解とは異なり、制裁の強化だけを意味するものではない。また、中国政府は「安保理決議が朝鮮人民の生活と人道的要求に否定的な影響を与えてはならない」(洪磊・外交部報道官)と再三強調している。中国政府のこのような主張は、すべて安保理決議2270号に基づくものだ。安保理決議は、前文で北朝鮮の住民に「否定的、人道的影響」を意図したものでないことを、49項で「朝鮮半島の平和安定の重要性」を、50項で6カ国協議と9・19共同声明に対する支持を明示している。

 こうした事情にもかかわらず、韓国政府は、THAAD問題と韓米軍事訓練で中ロと、南北ロの羅津(ラジン)ハサン・プロジェクトへの「死亡宣告」でロシアと対立している。これは北東アジア主要国の協力を困難にするという点で、韓国政府が望む安保理決議2270号の強力な履行と、北朝鮮核問題の解決に向けた模索に、否定的な影響を及ぼしかねない。元高官は「安保理決議2270号の制裁目的と範囲、持続期間をめぐり、韓米と中ロとの間に意見の隔たりがあり、遠心力が大きくなっている」とした上で、「韓国政府が制裁だけに頼らず、賢い対応を早急に模索すべき状況」だと指摘した。

イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-03-09 19:35

http://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/734133.html訳H.J

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