モスクワ会談で「防衛目的を超越」
韓国THAAD配備は東欧MDと同じ脅威
北朝鮮制裁支持するが交渉は必要
朝鮮半島問題における中国とロシアの協力体制がさらに強まっている。中国とロシアは11日、6カ国協議の再開と朝鮮半島の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備を反対する立場を再び共同で表明した。両国は、朝鮮半島でのTHAAD配備を東欧のミサイル防衛網(MD)と同じ次元で反対するという立場を表明した。
両国はこの日、モスクワで外相会談を開き、北朝鮮に対する制裁を支持する一方で、北朝鮮の核問題に関する国際交渉の努力を求めた。また朝鮮半島への米国のTHAAD配備にも反対しており、この立場は今後も変わらないと確約した。両国は4日にモスクワで開かれた第2回中ロ北東アジア安全交渉でも、THAAD配備に対する重大な懸念と断固とした反対の意思を表明している。
ロシアを訪問中の中国の王毅外交部長は同日、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と会談を行い、記者会見で「私たちは北朝鮮の核の地位を認めない」、北朝鮮は国連決議案を「完全かつ包括的に」履行しなければならないと述べたとロイター通信が報じた。また王部長は「同時に私たちは6カ国協議に復帰するための努力を惜しまないだろう」とも述べた。
王部長は「中国は今回の国連安保理の北朝鮮制裁決議案が全面的に完全に履行され、北朝鮮の核兵器開発を断固として阻止することを希望する」と述べながらも、「しかし民生や人道的需要に影響がでることを防がなければならない」と述べた。王部長は対話と交渉を通じた問題解決を放棄してはならないとし、「非核化と平和体制交渉を並行して推進」することも強調した。
ラブロフ外相は、核実験と衛星の打ち上げをした北朝鮮の行動を「無責任」と指摘し、「北朝鮮は国際社会の断固とした反応を、今後そうした無謀な行動をとらないようにさせる信号と受け止めると私たちは信じる」と述べた。ラブロフ外相は「ロシアは話し合いが中断されることを受けれいない」とし、「国際的枠組みの中で話し合いを引き続き推進すべき」と6カ国協議など北朝鮮の核をめぐる交渉の必要性を強調した。
また両外相は、韓国にTHAADを配備する米国の計画にも反対した。王部長は「米国のこのミサイル防衛システムは、朝鮮半島の実質的防衛の需要を超え、同地域の戦略的バランスを壊して新たな軍備競争を触発する」と述べた。王部長は「米国の朝鮮半島へのTHAAD配備は防衛目的を超越している」と評価した。
ラブロフ外相も「私たちはミサイル防衛に対して立場を共有している」、「私たちは国連などの国際舞台で(THAAD反対の)主張をしていく」と述べた。またTHAADは「グローバルバランスと戦略的安定破壊という脅威を加える」とも述べた。さらに「米国が韓国とともに推進する(THAAD配備)計画は、北朝鮮の現在の行動を考慮しても、規模面で北朝鮮に関わるあらゆる脅威を超えている」とし、「これは米国が欧州で構築しているミサイル防衛(MD)システム同様、脅威(レベル)との比較ができない」と評価した。ラブロフ外相は「私たちはこの二つの方向(朝鮮半島のTHAADと欧州のMD)のいずれにおいても、グローバルバランスと戦略的安定性を毀損する恐れがある計画は不当だと考える」と述べた。
中国とロシアは朝鮮半島問題で同じ見解を示したが、断固とした共同の立場を公式に表明するのは異例だ。今回の会談を通じ「反THAAD」「6カ国協議再開」を媒介にした両国の協力行動がより加速するきっかけになるものとみられる。
ロシア訪問に先立ち、王部長は9日、ケリー米国務長官との電話会談で朝鮮半島情勢を取り上げ、「中国の合理的で正当な戦略的安全に対する憂慮と戦略的安全利益が損なわれてはならない」と主張した。ロシア外務省も9日、両国外相の開催を発表し、朝鮮半島情勢やシリア事態の解決努力などを含めた敏感な問題についても意見交換が行われるだろうと紹介した。
韓国語原文入力:2016-03-11 22:23