中国の官営メディアと強硬派が連日、朝鮮半島での戦争可能性にまで言及し、北東境界地域の軍事力を増強する必要があると主張している。
中華民族主義指向が強い環球時報は17日、「北東地域の軍事配備を強化し、朝鮮半島混乱の発生を防ぐべき」という社説で、「朴槿恵(パククネ)大統領が16日の国会演説で北朝鮮の極端な挑発を糾弾し、THAAD配備に言及した。 米国も最近、航空母艦と核潜水艦、戦略爆撃機などを展開し、朝鮮半島周辺の軍事力量を増強している」として「中国は朝鮮半島の最悪状況に備え周到綿密な準備をしなければならない。 中国は北東アジア方面の軍事配備を強化し、対応能力を高める必要がある」と主張した。同紙は「万一、朝鮮半島に戦乱が発生すれば、戦線が鴨緑江(アムノッカン)を越えて拡大しないようにし、核汚染と拡散、難民流入も防がなければならない」として「しかし米国と韓国が38度線を突破し北朝鮮に全面的に軍事行動を取るならば、中国が軍事的介入をする可能性も念頭に置かなければならない」と主張した。
中国共産党機関紙の人民日報海外版が運営するメディア『侠客島』もこの日、「THAADが配備されれば東アジア地域の戦略的均衡が徹底的に破壊されるだろう」とし「これは中国の安保環境に大きな脅威になるので、やむをえず朝鮮半島状況に軍事的準備をせざるをえないだろう」と主張した。
強硬派も軍事対応態勢を高めなければならないと乗り出している。中国戦略文化促進会の常務副会長であり陸軍少将である羅援は「韓米軍事訓練と米軍戦闘爆撃機配備などは北朝鮮を威嚇するための実力以上の虚勢である可能性が高いが、朝鮮半島の緊張は高まるだろう。 中国もこれを抑制できる行動をしなければならない」と主張した。 中国軍少将出身で中国国際戦略学会顧問の王海運も環球時報への寄稿で「韓国のTHAAD配備、米軍戦力展開などに対応し北東地域の軍事力を増強しなければならない」と主張した。 中国中央テレビ(CCTV)は、中国の戦略ミサイル運用部隊であるロケット軍が12日、アジア・太平洋地域に展開する米航空母艦を狙って開発されたと知られる東風21Dミサイルの発射場面を放映した。
このような動きは、THAADの配備が未だ確定していない状況で韓米に圧迫を加え、これを撤回させようとする意図が込められていると見られる。 また名分を積み重ねることによりTHAADが配備されれば直ちに軍備を拡張する口実にする布石とも見られる。 ある中国専門家は「党の公式機関紙である人民日報や新華社通信など政府の公式な意中が載せられるメディアではなく、環球時報という民族主義指向が強いメディアを通じて中国が一種の宣伝をして不快感を表わしている」として「しかし戦争脅威論まで前面に出して朝鮮半島状況を誇張している側面がある」と話した。