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解決の目途立たない北朝鮮のロケット発射…米中は責任のなすりつけあい

登録:2016-02-05 01:38 修正:2016-02-05 06:01
中国側6カ国協議首席代表の武大偉・朝鮮半島問題特別代表が4日、北朝鮮訪問を終え北京首都国際空港に降り立っている=北京/聯合ニュース

北朝鮮核問題の出口が見えない原因めぐり
米国「対話主張してきた国のせい」 
中国「制裁強調してきた国のせい」 

ロケット発射を防げず、制裁のレベルも決められず 
中国の武大偉代表も結局手ぶらで帰国

 先月6日の北朝鮮の4回目の核実験直後、「悪いのはどっち?」をめぐる攻防を繰り広げた米国と中国が、北朝鮮の長距離ロケット打ち上げの発表についても、時ならぬ「平手打ち」論まで取り上げ、責任転嫁に乗り出している。北朝鮮の核と長距離ロケット問題では当分の間、米中対立の溝が深まるものと見られる。

 ダニエル・ラッセル米国務省次官補は2日(現地時間)、北朝鮮の「人工衛星」打ち上げ発表について、「北朝鮮に対して制裁ではなく、忍耐と対話で示す必要があると主張してきた関連国の頬を平手打ちしたもの」と記者団に述べたと、AP通信が3日付で報じた。この発言は、明らかに中国を念頭にしたもので、ジョン・ケリー国務長官が北朝鮮の核実験の翌日に「中国との電話通話で、(中国の対北朝鮮アプローチが)作動しておらず、普段通り仕事を続けるわけには行かなくなったことを明確に伝えた」と述べたことの延長線上にある。中国が北朝鮮を圧迫できるテコを使っていないことに対する不満であると同時に、(周辺地域の)緊張を高めようとする北朝鮮の行為を防げなかった責任を、中国に転嫁することで、米国に向けられる批判の矛先を変えようとする意図があるものと分析される。

 「平手打ちされたのは中国」という主張について、中国も直ちに「平手打ちされたのは米国」と対抗した。陸慷・中国外交部報道官は3日のブリーフィングで、「朝鮮は確かに関連国の頬を平手打ちした。その頬が誰の顔なのかは、その誰かがよく分かっているだろう」と主張した。北朝鮮が中国ではなく、米国の頬を平手打ちしたという反論だ。

 その根拠として、陸慷報道官は、「偶然にも6カ国協議が中断され、関連側、関連国家が一方的に制裁と圧力を強調する中で、朝鮮は一回また一回、核実験を始めた」という点を挙げた。一言で言うと、北朝鮮の核問題がこじれた根本的責任は、中国ではなく、制裁一辺倒の対北朝鮮政策を展開してき米国にあると皮肉ったのだ。

 米中の責任の押し付け合いは、北朝鮮の核実験に続く長距離ロケット発射を防ぐこれといった手段がない現実を物語っている。米国は対北朝鮮制裁を叫んでいるが、北朝鮮との交易がまったくない状況で、北朝鮮を傷つけられる独自の手段がない。中国も外交的解決策を強調しているが、米国から北朝鮮との交渉のカードを渡されていない状態では、外交的にもあまり身動きが取れない。

 実際、中国側の6カ国協議首席代表である武大偉・朝鮮半島問題特別代表は、3日間の訪朝日程を終えて帰国した4日、北京首都国際空港で記者団に「(北朝鮮に)言うべきことは言った。しかし、結果がどうなるか、現段階では分からない」と述べた。この言及は、中国が長距離ロケット発射を引き止めたにもかかわらず、北朝鮮はそれに明確に応えることなく、既存の発射方針を変えない意向を示したことを意味するものと思われる。中国外交部は「武代表が訪朝期間中、リ・スヨン北朝鮮外相、キム・ゲクァン外務省第1副相、6カ国協議首席代表的のリ・ヨンホ外務次官と、両国関係と朝鮮半島の状況について協議した」と明らかにした。

 「悪いのはどっち?」をめぐる米中の攻防は、国連安全保障理事会の制裁決議案の採択過程にもそのまま反映されるものと見られる。人民大学の時殷弘教授はハンギョレとの電話インタビューで「安保理はもちろん、様々な局面で中米の対立が激化するだろう。長期間にわたり制裁決議案が出ない可能性もある」と述べた。ワシントンの外交消息筋も「(北朝鮮が長距離ロケットを発射すれば)米国は安保理で制裁のレベルをさらに高めようとするだろうし、中国はすでに朝鮮半島の安定を重要視すると公表しただけに、米国の要求に協力するとは思えない」とし、「当分の間、米中の間で“強対強”の対決が続く可能性が高い」と予想した。

ワシントン、北京/イ・ヨンイン、ソン・ヨンチョル特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-02-04 19:08

https://www.hani.co.kr/arti/international/america/729380.html 訳H.J

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