1日午前8時、米国の最新鋭航空母艦ロナルド・レーガン号(CVN 76・長さ333メートル、排水量9万7000トン)の横須賀入港に抗議する日本市民を乗せた小さなボート「おむすび丸」の航路を遮った海上保安庁艦艇の動きは強引だった。 ボートが港に入る空母に並んで「来るな!原子力空母」 「No CVN(核推進航空母艦)」 「必要ない、原子力空母」などのスローガンが書かれた横断幕を掲げると、海上保安庁艦艇10隻余が直ちに駆け寄って遮った。 市川平「ヨコスカ平和船団」事務局長が、海上保安庁の艦艇に向かって「危険だから船をそんなに近付けるな」と抗議したが、事故を憂慮して結局ボートを止めざるをえなかった。
同じ時刻、船に搭乗していた市民 山鹿順子氏は拡声器で「私たちはあなた方を歓迎しない。 これまで横須賀に配置された米空母やイージス艦は国際法に反してイラク戦争など先制攻撃をした」と叫んだ。 ロナルド・レーガン号は日本市民の抗議にもかかわらずバージ船の誘導を受けて午前8時38分頃、米空母専用埠頭である12番埠頭に接岸し歴史的な横須賀入港を終えた。 5月に空母ジョージ・ワシントン号(CVN 73)が燃料交換などのために米本土に帰還した後、空母交替作業が終えられた瞬間だった。横須賀に配置された米空母が交替させられたのは2008年以来7年ぶりだ。
ロナルド・レーガン号の艦長であるクリス・ボルト大佐は、到着後の記者会見で「ロナルド・レーガン号とその乗務員は、米海軍で最高の能力を持っていると自負する。 この地域に貢献することができる。 最も重要なことは日本人との人間関係で、特に海上自衛隊との縁を積み上げたい」と話した。 空母の甲板上では米軍水兵が並んで「はじめまして」という人文字を作った。
集団的自衛権の行使を骨格とした日本の安保関連法が改定された後に行われた米第7艦隊の空母交替は、これまで以上に一体化しグローバルな同盟に変貌した米日同盟を象徴する事件として注目されている。 これは韓米日三角同盟に向けて吸収されつつある韓米同盟はもちろん、米中間の競争が激化している東アジアの秩序に複雑で微妙な影響を及ぼすと見られる。
日本安保法制通過の直後、米国 最新鋭空母配置
自衛隊の護衛艦と共同訓練を予定
中国を刺激し東アジア緊張憂慮
18日、釜山入港 海軍観艦式に参加
北朝鮮は反発、南北関係に悪影響及ぼすことも
読売新聞は先月20日付特集記事で「今秋、米空母の長期航海に海上自衛隊護衛艦が参加する訓練が予定されている。 この訓練は昨年始まったが、安保関連法が通過した今回はその意味が完全に異なる。 共同訓練や警戒監視を行う時、(米日の艦船が)武器を使って保護できることになった」と指摘した。 中谷元・日本防衛相は先月、参議院特別委員会で自衛隊が米空母を防御できると事実上認めたことがある。 安倍首相も今回の安保関連法の意義に関して「海上自衛隊と米第7艦隊の一体運用が可能になる」と説明したことがあると新聞は伝えた。
米国では今回のロナルド・レーガン号配置を「オバマ行政府と米国防総省が長期的に最も重要と考える太平洋地域再均衡政策の一部」と説明している。 2003年7月に就航したロナルド・レーガン号は、米海軍内でジョージ・ブッシュ号(CVN 77)を除けば最新型航空母艦だ。 この空母を米本土ではなく日本の横須賀に配備したことは、米国がアジア・太平洋地域の海軍力増強に極めて強い関心を持っていることを示している。米国はこれに加えて今年6月に横須賀基地に配置された最新鋭誘導ミサイル巡洋艦であるイージス艦チャンセラーズビル(CG-62)を含め3隻のイージス艦をこちらに追加配置する計画を明らかにしている。 強化された米海軍戦力を日本が積極的に防御する米日同盟の戦略的役割分担が完成されたわけだ。
このような米日の軍事力強化は、中国を刺激して韓半島を巡る安保環境をさらに難しい方向へ推し進めかねないという憂慮をもたらしている。 実際、2010年3月天安(チョナン)艦事件以後に米中の間には米空母ジョージ・ワシントン号の西海(ソヘ)進入を巡って鋭い神経戦が起きた経緯がある。 強大な攻撃力を持つ米空母の存在は、中国としては安保上の大きな威嚇だ。 ロナルド・レーガン号には米海軍の主力艦載機であるスーパーホーネット(F/A-18F)で構成された4つの戦闘攻撃飛行隊が配備されていて、朝鮮半島近海に配備されれば、中国の心臓部を狙うことができる。そのためか中国は先月3日の閲兵式の際に米空母を念頭に置いたかのように“空母キラー”と呼ばれる地対艦弾道ミサイル東風(DF)-21Dを初めて公開した。
最新鋭米空母の配備は「8・25合意」により改善側に方向を変えた南北関係にも影響を及ぼしている。 ロナルド・レーガン号は韓国海軍創設70周年を記念する大韓民国海軍観艦式(23日)参加を理由に、今月18日に釜山に入港する予定であるためだ。 これは10日の北朝鮮労働党70周年創建日前後にロケット発射などを行う可能性がある北朝鮮を牽制するための動きと解釈される。 北朝鮮は「各種侵略戦争装備を朝鮮半島とその周辺水域に集中させようとする米国の内心は、朝鮮半島に和解と協力のムードが醸成されないよう妨害しようということ」という鋭い批判を最近出した。