北朝鮮が秋夕(中秋節)連休の期間中、ロケット発射の意向を再三表明したにもかかわらず、すぐに発射する動きは見られず、北朝鮮の意図に注目が集まっている。
北朝鮮が外部の予測通り10月10日の労働党創建日70周年記念行事でロケット発射を計画しているなら、そろそろ発射準備に入らなければならない。通常、ロケットを発射するためには、ロケットの移動と発射台の設置、燃料の注入などに1週間から10日ほどがかかるからだ。しかし、北朝鮮がロケットの発射を準備していると解釈されるような動きは、まだ見られないものと伝えられた。軍当局者は、「韓米連合資産が北朝鮮の動きを綿密に偵察している」とし「まだ平壌(ピョンヤン)山陰(サンウム)洞の兵器工場で東倉(トンチャン)里発射場にロケットを運ぶ列車の動きは捕えられていないと聞いている」と述べた。
北朝鮮は秋夕連休の期間中、ロケット発射を「主権国家の自主権」として擁護するなど、発射の意志を重ねて表明した。また、最近、西側メディアに初めて平壌の新しい衛星管制総合指揮所を公開し、平和的な衛星打ち上げであることを誇示するなど、ロケット発射の名分も作ろうとしている。
にもかかわらず、北朝鮮がすぐに動き出していないのは、国際社会の世論の動向を探っているためと分析される。政府当局者は「何よりも習近平・中国国家主席が直接ロケット発射の自制を要請したことが、北朝鮮にとっては少なからぬ負担になっただろう」と述べた。習主席は、先月25日に開かれた米中首脳会談後の共同記者会見で、「米国と中国は朝鮮半島の緊張を高めたり、国連安保理決議に違反するいかなる行動にも反対する」として、(北朝鮮に対して)公開的に警告した。
北朝鮮が10月10日の党創建70周年行事以降にロケット発射に出る可能性があるという分析もある。これまで北朝鮮は必ずしも行事当日に合わせてロケットを発射してきたわけではない。金正恩(キム・ジョンウン)労働党第1書記体制発足後に行われた2回のロケット発射は、すべての行事の数日前だった。北朝鮮は2012年光明星3号1号機を金日成(キム・イルソン)主席の誕生日である太陽節を2日控えた4月13日に発射した。また同年12月に打ち上げられた光明星3号2号機は、金正日(キム・ジョンイル)総書記の命日(12月17日)の5日前に点火された。このような前例からして、今回は「10・10」行事当日には大規模な軍事パレードなどを行い、ロケット発射は国際社会の動向を見ながら10月16日に開かれる韓米首脳会談を狙ったカードとして活用しようとしているのではないかという見方もある。
韓国語原文入力:2015-09-30 19:51