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中国封じ明確にさせたオバマ大統領、自衛隊に南シナ海の警戒任務

登録:2015-04-30 23:16 修正:2015-05-01 22:58
グローバル同盟の舞台変更を示唆
安倍晋三日本首相が29日(現地時間)、米国ワシントンの議事堂で上下両院合同演説をしている。演壇の後に米上院議長のジョー・バイデン副大統領(左)とジョン・ベイナー下院議長が彼の演説を聞いている=ワシントン/AP連合ニュース

「私たちは中国との軍事協力を強化していきたい。しかし、真の緊張が中国との間で生じていることを過小評価するつもりはない」

 28日(現地時間)、米日首脳会談以降、ホワイトハウスで行われた記者会見で、オバマ大統領は、外交的修辞抜きで中国に対する米国の懸念を露わにした。彼は「中国は(東アジア・東南アジアにおける軋轢を)通常の国際紛争の方法で解決するのではなく、力の拡大を図っている。私たちは、このような行動は間違っていると言いたい」と付け加えた。中国が東シナ海と南シナ海での領有権紛争を繰り広げることに同意できない上、“誤った”行動だと言及したのである。

 オバマ大統領の発言は、「グローバル同盟」に格上げされた日米同盟の主要な活動舞台が、朝鮮半島など北東アジアを超えて南シナ海になる可能性が大きいことを示唆したものと解釈される。両国首脳は、会談後に発表した「日米共同ビジョン」という共同文書で、「力や強制により一方的に現状変更を試みることで主権および領土一体性の尊重を損傷する国家の行動は、国際秩序に対する挑戦」だと宣言した。画期的に強化された日米同盟がまず、中国が「核心利益」と宣言した南シナ海で行われる中国の現状変更の試みを封鎖するという、明確な意志を明らかにしたものだ。中国の現状変更の試みとは、中国がフィリピンやベトナムなどと領土紛争を繰り広げている南シナ海の離島に軍事施設を建設したり、2013年の東シナ海に防空識別区域を宣言した事例などを言及したものと解釈される。つまり、日米の「新蜜月関係」は、日本を活用して中国を牽制しようとする米国の戦略的選択に、米国と対等な同盟を構築しようとする安倍首相が積極的に応じて作られたものといえる。これは、中国を刺激して、東アジアの緊張を深化する可能性を高めている。

日米同盟の強化と東アジア //ハンギョレ新聞

 「領有権紛争は間違った行動」
 中国狙い露骨な発言
 安倍首相に「監視分担」要請
 朝鮮半島を超え東南アジアに拡大
 東アジアの対立の深化必至

 1951年9月、日米両国が初めて締結した日米安保条約は、日本が米国に基地を提供するにもかかわらず、米国は日本に対する防衛義務を負わない「不平等な条約」だった。その後、1960年1月の改正を通じて、米国の日本防衛義務を明記した。それから1979年にソ連の日本侵攻に備えて日米防衛協力のための指針が作られた。以来、日米同盟の活動範囲は、1997年1次改正を通じて、朝鮮半島と台湾を含む「日本周辺」になり、今年4月27日の2度目の改定を通じて「全世界」に拡張された。

 米国は、日本が戦略的要衝地であり、主要なエネルギー輸送路として、米国の死活的利益がかかった南シナ海の警戒監視の役割を分担してくれることを要請してきたと伝えられる。 日本経済新聞は安倍首相の訪米に先立つ8日、日本を訪れたアシュトン・カーター米国防長官が安倍首相や中谷元・防衛相などに会って、南シナ海における「警戒監視などで日本の役割分担に期待をにじませた」と伝えた。

 日本国内では自衛隊が広い南シナ海の警戒監視業務を引き受ける能力があるのかをめぐり議論になっている。日本は2013年12月に東シナ海の警戒監視を強化するために、新型対潜哨戒機であるP-1を23機、新型早期警戒機E-2D(ホークアイ)4機、高高度無人偵察機グローバルホークなどの導入を決定した。今年2月に政府開発援助(ODA)大綱を改定して、他国軍への援助を可能にした。中国と対立関係にあるフィリピンとベトナム軍の「力量の強化」に貢献するという意味だ。

 しかし、沖縄那覇の海上自衛隊基地から南シナ海までは2000キロメートルを超える距離で、日本の軍事的能力を上回るという慎重論も根強い。米国の歓待という甘い“シャンパン”の後には、莫大な国防費支出という高額の「請求書」が安倍首相を待っているのである。

東京/キル・ユンヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-04-30 19:46 

https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/689293.html  訳H.J

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