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[インタビュー] 「米国にとり日本は中国牽制で信頼できる同盟国」

登録:2015-04-27 01:04 修正:2018-06-04 06:38
ジョン・フェッファー外交政策フォーカス所長
 「米保守派にとって安倍首相は素晴らしい
 米国が望むものすべてやってくれる」
ジョン・フェッファー外交政策フォーカス所長//ハンギョレ新聞社

 米国ワシントンの代表的な北東アジアの専門家であるジョン・フェッファー外交政策フォーカス所長は「米国は今浮上する中国を牽制するために、日本の軍事力増強を促している」と述べた。彼は「米国は歴史問題をめぐる韓日間の軋轢を韓米日三角安保協力の強化の障害物と見ているが、日本を圧迫にするために政治的な資産を投入する場合、日米同盟関係を毀損する可能性があると懸念している」と分析した。

 - 米国が日本の軍事力増強と軍事的役割の拡大を支持する理由は何か?

 「米国は、冷戦時代にも、旧ソ連封じ込めのために日本の軍事的役割の増大を支持していた。しかし、旧ソ連はアジアに軍事力をあまり投射しなかった。しかし現在の中国は違う。アジア国家に重要な利益がかかっているので、経済力の拡大にふさわしい軍事力の膨張を進めている。米国からして、日本は中国を牽制するために韓国よりも信頼できる同盟国だ。率直に韓国は中国よりも、北朝鮮に焦点を当てており、中国とはデタントをした。ジョージ・ブッシュ政権の時、一部では韓国を中立化された国と見なす見方もあった。しかし、米国は、日本が中国を嫌うことを知っている。だからこそ日本は頼れるというのだ。米国は、日本が他の国のように軍事活動を行う、いわゆる「普通の国」になることを望んでおり、それを促している」

 - 日本は真珠湾攻撃を断行するなど、過去米国の敵だった。米国は、最終的に日本が軍国主義化する危険性を懸念していないのか?

 「米国は、日本の安全保障システムが米国に深く、またしっかりと編入れていると信じている。日本は今、米国の核の傘の下にあるだけでなく、武器をほとんど米国に依存している。日本が米国に背を向けることはほとんど不可能だと思う」

 - 米国の中長期的なアジア・太平洋の軍事戦略は何か?

 「米国は、最終的に安全保障政策のアウトソーシングを望んでいる。米軍が外国の紛争で死ぬことを望まないので、他国に代わりに戦ってもらいたいと思っている。予算上の制約もある」

 - 安倍首相が歴史修正主義的な態度を示し問題になっているのに、米国議会が彼を日本の首相としては初めて上下両院合同演説に招待する理由は何か?

 「現在共和党が掌握している議会にとって安倍首相は素晴らしい人物だ。強硬保守派で政治的志向も似ているうえ、米国が望むほぼすべてをやってくれる。今回の演説には、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の時とは異なり、オバマ大統領も同意した。この機会に、日本と環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を妥結し、安全保障協力を強化したいと思っているからだ。これは彼の『アジア再均衡』政策の中核でもある。だから歴史問題は、それほど重要ではないのだ。

 - ニューヨーク・タイムズが社説で、安倍首相の訪米の成果は過去の歴史に対する真摯な反省にかかっていると主張するなど、主要メディアと議会の一部では批判も少なくないが。

 「ニューヨーク・タイムズと、現在議会の多数派とは見方が根本的に異なる。共和党は歴史問題、特に外国の歴史については、あまり気にしない。日本の真珠湾攻撃もほぼ忘れ去られている」

 - 結局、米国は、今回の安倍首相の訪米時に、北東アジアの歴史問題の解決には積極的に乗り出さないと思うか?

 「そうだ。もちろん、米国が安倍首相に韓国の反発を和らげるための修辞レベルの発言を求める可能性もある。しかし、米国はそこに積極的に介入して仲裁しようとしないと思われる。静かに両国自ら解決するように促すだろう。オバマ政権は、政治的資本をそこに投入することが日米同盟を毀損するリスクがあると見ている。併せて、米国も過去の問題から自由ではない。米国は独島(日本名・竹島)の地位決定に介入したことがある。また、第2次大戦当時、原爆投下や在日米軍の性的暴行事件なども、米国が積極的に出られない要因だ」

ワシントン/パク・ヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-04-26 21:40

https://www.hani.co.kr/arti/international/america/688569.html 訳H.J

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