「日本と米国が強い絆を生かし、21世紀の平和と繁栄をつくり、新しい時代を切り開いていくメッセージを出したい」
26日午後5時、歴史的な米国訪問のため、東京の羽田空港で今回の訪問の目的をこう述べた安倍晋三首相は、満面の笑みを浮かべていた。安倍首相は「米議会演説では、日本が今後、米国とともに何をするのか、どういう世界にしていくかというビジョンを語りたい」と付け加えた。安倍首相は昭恵夫人とともにカメラに向かって手を振った後、飛行機に乗り込んだ。
70年前の1945年9月2日。東京湾に停泊した米国戦艦ミズーリ号のデッキで重光葵・日本外相が降伏文書に署名して以来、日米関係は浮き沈みを経験してきた。日本はこれまで平和憲法の精神の下、防御のためだけに武力を行使するという「専守防衛」の原則を守ってきた。安全保障は米国に依存し、日本は経済開発だけに努めるという「吉田ドクトリン」を通じて、世界第2位の経済大国にまで成長できた。
しかし現在、米国の相対的な衰退と中国の浮上という世界秩序の地殻変動は、日米同盟における決定的な変化を予告している。 2011年11月「アジア再均衡」政策を宣言した米国は、東アジアを超えた全世界的な範囲で、日本により大きな軍事的役割を期待しており、米国と「対等な同盟」になることを希求する安倍晋三首相は、これに積極的に応えてきた。
安倍首相の今回の訪米は、日米同盟をこれまでとは全く異なる「グローバルな軍事同盟」に変化させる分岐点となる見込みだ。安倍首相は、27日、集団的自衛権を行使できるようにした日本政府の決定を、日米同盟として確認する日米安保協力指針(ガイドライン)の改正に合意する予定だ。続いて28日にはバラク・オバマ米大統領と首脳会談をした後、29日には日本の首相としては初めて米上下両院合同演説を行う。過去の植民地支配と侵略、慰安婦問題など、過去の政権の「謝罪と反省」を後退させようと意図を明らかにしてきた安倍首相が、この演説でどのような歴史認識を示し、米国政府と政界がどのような反応を見せるのかを、韓国と周辺国は懸念の視線で見守っている。アシュトン・カーター米国防長官が「一艦の航空母艦に相当する」と述べて、中国牽制という戦略的意図を示唆した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の妥結に向けた進展も予想される。
韓国語原文入力:2015-04-26 19:51