スウェーデン企業エリクソンは、サムスン電子が自社の第4世代(G)と次世代に当たる第5世代(G)の無線移動通信技術に関する一部の特許を侵害したとして、米国国際貿易委員会(ITC)に提訴した。2012年以来、両社は数度にわたって特許紛争を繰り返している。
ITCは16日、エリクソンが15日にサムスン電子の韓国法人と米国法人を相手取り、特許侵害による不公正取引行為を提訴したため、調査に着手すると発表した。調査対象は「特定の移動通信の基盤システムとその附属品、および附属品を含む製品」。自社の保有する特許をサムスンが侵害したとエリクソンが主張する製品は、移動通信の送受信機能に関連するアンテナ、無線、基地局および核心ネットワーク連結装置だ。エリクソンは、米国市場におけるサムスンの関連製品の限定的な輸入販売禁止、および中断命令を下すよう求めた。ITCは「特許侵害があったかどうかについては、まだ決定したわけではない」とし「今後、調査日程を決めて、証拠聴聞会の手順を踏んだ後に予備決定を下す」と明かした。
エリクソンは、今年1月に米テキサス州の裁判所にも、サムスン電子を相手取って特許侵害訴訟を起こしている。ロイター通信によると、サムスンはこの事件について、ITCに「エリクソンは特許侵害の主張を裏づける証拠を提示していない」と反論した。サムスン電子は「エリクソンとは公正かつ合理的に特許問題を協議してきたが、エリクソンが商用特許侵害を主張し、多数の訴訟を起こした」とし「サムスン電子は中国の武漢裁判所などにグローバル・ロイヤルティー請求訴訟と特許侵害訴訟を起こした」と明かした。エリクソンに真っ向勝負を挑む姿勢を示したわけだ。
サムスンとエリクソンは、2001年に端末機とネットワークに関する特許を巡り、相互包括的ライセンス契約を交わし、その後2007年に延長契約を交わしたが、同契約終了間近の2012年にエリクソンが特許侵害でサムスンを提訴し、サムスンも対抗的に提訴して激しい攻防を繰り広げた。この紛争は、サムスンが6億5000万ドルの特許料の支払いを決めたことで決着がついている。今年、両社は特許使用契約の終了を迎えたことで、再び特許紛争に突入したわけだ。