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国公立施設の敷地に住宅供給…龍山、駅周辺の高密度化まで検討

登録:2020-07-21 02:07 修正:2020-07-21 17:27
グリーンベルト解除カードは廃棄 
 
陸士、泰陵ゴルフ場の宅地開発時は 
住宅1万5千戸以上供給可能 
 
龍山駅整備廠の住宅量を増やすか 
第3期ニュータウン容積率の上方修正を検討 
公共機関、矯正施設の移転も議論に 
 
ソウルの駅周辺の整備事業実施の際は 
一部を公共賃貸として供給する可能性も 
政府「遅くとも今月末に対策発表」
政府の住宅供給拡大方策//ハンギョレ新聞社
文在寅大統領が20日午後、大統領府与民館で開かれた首席・補佐官会議で冒頭発言を行っている。同日の会議にはキム・サヨル国家バランス発展委員長(左から)、カン・ヒョンス国土研究院長が出席した。右端はキム・ジョウォン大統領府民情首席=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 大統領府は20日、賛否両論が激しく対立したソウル開発制限区域(グリーンベルト)の解除を放棄することに決めた。これにより、今月末に発表予定の政府の住宅供給拡大策の大筋が固まりつつある。政府は、反対世論が強く土地の収用手続きのために実際の住宅供給までに長い時間がかかるグリーンベルト解除というカードを捨て、国公立施設の敷地などを積極的に発掘、活用する方向へと旋回した。また「7・10不動産対策」で明らかにしたソウル都心の高密度開発など5つの供給拡大方策についても、具体的な代案の準備を急いでいる。国土交通部の関係者は「遅くとも7月末には供給対策を発表する」とし「すべての方策をテーブル上に載せて調整している」と述べた。

 まず、グリーンベルト解除の代替案として、ソウル蘆原区(ノウォング)の泰陵(テルン)ゴルフ場などの政府所有地の活用が有力な住宅供給拡大方策として浮上した。陸軍士官学校と付属の泰陵ゴルフ場は149万7000平米の広さを有し、ここを公共宅地として開発した場合、1万5000戸以上の住宅を供給できると分析される。交通条件も良好で、ソウル江北(カンブク)圏の新興住宅地域としても遜色のない立地だ。議政府市(ウィジョンブシ)や東豆川市(トンドゥチョンシ)など、米軍基地が平澤(ピョンテク)に移転する京畿北部の自治体が陸軍士官学校を積極的に誘致しており、代替用地の確保も難しくないとみられる。

 今年5月6日に「首都圏住宅供給基盤強化」方策の一環として発表されたソウル龍山(ヨンサン)駅の整備廠(陸軍で武器の貯蔵・整備等を受け持つ部隊)の敷地に、住宅をさらに建設することも代案として浮上した。当初、ここには公共賃貸住宅を含む8000世帯の供給計画が提示されたが、容積率を緩和して1万5000~2万戸程度に供給を拡大することが検討されているという。ただしこの場合、政府が保有しているソウル中心部の龍山駅周辺の土地を、将来の価値に対する考慮なしに、高密度化した住宅用地としてのみ使うことが適切かどうかについては議論が起きると見られる。

 政府はソウル市とともに、都心の駅周辺などで既存の老朽化した住宅や商店街などの整備事業などが行われれば、容積率を大幅に緩和して住宅が多く建設されるようにするとともに、一部を公共賃貸に回し、若者や1人世帯などに供給することも検討している。これに関連し、ソウル市は駅周辺に、容積率を従来の用途地域の最大2倍程度へと大幅に緩和する新たな用途地域である「高密度住宅地域」を設定することを政府に提示したという。これは、2018年にソウル市が発表した駅周辺の公共住宅供給拡大方策の延長線上にあり、ソウル市は今回、駅周辺の範囲を250メートルから350メートルへと拡大し、高密度住宅地域の容積率を700%(現在の準住居地域は300%、商業地域の住宅容積率は600%)以上へと引き上げることを構想している。こうすることによって、駅周辺だけで最大14万4000戸の住宅を供給できるというわけだ。ただ、この方策は、民間事業者に対する恩恵が過度に大きくなり、不動産投機をあおる危険性も抱えている。

 首都圏で進められている第3期ニュータウンに住宅をさらに建設することも検討対象となる。政府は平均180~200%ほどの第3期ニュータウンの容積率を小幅に引き上げることを前向きに検討している。国土部は、住宅地域の容積率は引き上げるものの、地区内の緑地などは減らさない方針だ。その他、京畿道内の公共機関や矯正施設などを移転させ、その用地を公共宅地として活用することも検討対象として挙がっている。一部では安養市(アニャンシ)の安養刑務所、義王市(ウィワンシ)のソウル拘置所などが移転候補として挙がっている。

 また政府は再開発、建て替えなどの民間の老朽住宅整備事業に、韓国土地住宅公社(LH)などの公共機関が共同事業者として参加する場合に対する、容積率や高さ制限などの建築規制の緩和を進めている。この方策は、再開発や建て替え事業地の大半が需要者の選好度が高く位置も良好なため、住宅供給効果が大きいうえ、公共機関の支援を通じて、これまで中断されていた整備事業の事業性を高めることもできるということが長所として挙げられる。

チェ・ジョンフン、チン・ミョンソン、イ・ジョンフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
政府の住宅供給拡大方策//ハンギョレ新聞社

韓国語原文入力:2020-07-20 19:14
https://www.hani.co.kr/arti/economy/property/954434.html 訳D.K

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