老朽化した公共賃貸住宅22万5000戸と小中高の老朽化した校舎2890棟に太陽光パネルを設置するとともに、高性能の断熱材で補強や交換を行うなどの「グリーンリフォーム」および「グリーンスマートスクール」への転換が進められる。政府は、低炭素・炭素中立(カーボンニュートラル)社会を目指す「グリーンニューディール」に、2025年までに73兆4000億ウォン(約6兆5200億円)を投資するとともに、65万9000件の雇用を創出すると発表した。
環境部と産業通商資源部は16日、政府世宗(セジョン)庁舎において、韓国版ニューディール総合計画のひとつの軸となる「グリーンニューディール」計画を発表した。政府は「経済・社会の果敢な低炭素グリーン転換を実現するため、炭素中立社会を目指すグリーンニューディールを推進する」と明らかにした。内容は、築15年以上の老朽化した公共賃貸住宅22万5万戸のグリーンリフォーム推進や、小中高の老朽化した校舎2890棟のグリーンスマートスクール転換などの、公共施設のゼロエネルギー化、▽都市の気候と環境を改善するスマートグリーン都市25カ所の造成、および16の国立公園と25の都市空間破壊地域のグリーン生態復元、▽太陽光と風力発電の容量を2025年までに昨年の3倍(12.7ギガワット→42.7ギガワット)以上に拡充するとともに、マンション500万戸に知能型電力計13万台を普及させる新再生エネルギーの拡大、▽2025年までに電気自動車113万台および水素自動車20万台の未来自動車133万台を普及させるなどのグリーンモビリティー拡大、▽エネルギー自立型のスマートグリーン産業団地を10カ所構築などだ。政府は「2025年までにグリーンニューディールに73兆4000億ウォンを投資し、65万9000の雇用を創出する」とし、「2025年の温室効果ガスの国家削減目標の20.1%に当たる1229万トンの削減が期待される」と説明した。
今回のグリーンニューディールの5大代表課題の一つである小中高スマートスクール転換事業によると、第1段階として2022年までに総事業費5兆3000億ウォン(約4710億円、国費1兆1000億ウォン、約977億円)を投資して4万2千件の雇用を創出し、第2段階として2025年までに総事業費15兆3千億ウォン(約1兆3600億円、国費3兆4000億ウォン、約3020億円)を投資して12万4000件の雇用を創出する計画だ。これとは別に、2026~42年には、学校リフォーム事業の賃貸料の利子返済などに4兆ウォン(約3550億円)を支援する。リフォームは、国公私立の老朽化した校舎(2890+α棟)に太陽光パネルを設置するとともに、環境にやさしい断熱材による補強工事などでエネルギー効率を高める。国費と教育交付金による財政投資と賃貸型民間資本方式(BTL)を並行して用いる。小中高の全教室(38万室)に無料Wi-Fiを2022年までに設置する。これは今年中に累計24万教室に設置される。また、教員の老朽化したパソコン20万台を交換するとともに、「オンライン教科書先導学校」1200校に対して教育用タブレットPC24万台を支援する。個別型学習コンテンツを提供する「オンライン教育統合プラットフォーム」を構築するとともに、遠隔教育の活性化を支援する遠隔教育基本法(仮称)を制定する。
アパート、保育園、体育館、図書館、政府庁舎などの各種施設や建物に対するグリーンリフォーム事業も行われる。民間の建物のエネルギー効率向上を誘導するため、公共の建物に先導的に太陽光パネルの設置および環境にやさしい断熱材への交換などを行う事業だ。第1段階として、2022年までに総事業費3兆1000億ウォン(約2750億円、国費1兆8000億ウォン、約1600億円)を投資して7万8000件の雇用を創出し、第2段階として2025年までに総事業費5兆4000億ウォン(約4800億円、国費3兆ウォン、約2660億円)を投資して12万4000件の雇用を創出する計画だ。老朽化した建物については、築15年以上の公共賃貸住宅22万5000戸と保育園、保健所、医療機関(2021年に2170棟)に対して太陽光パネル設置および高性能断熱材への交換が行われる。
新築の建物については、高効率エネルギー資機材や環境にやさしい素材などを用い、440の国公立保育園と51の国民体育センターが新築される。また博物館や図書館などの1148の文化施設に、太陽光システムおよびLED照明などのエネルギー低減設備を設置する計画だ。老朽化した政府庁舎(ソウル、果川(クァチョン)、大田(テジョン)の3カ所)にも断熱材補強事業が行われる。2025年までに総額2兆ウォン(約1780億円)を投資し、学校周辺の通学路などの電線や通信線を共同地中化する。