サムスン電子は5日、モバイル中央処理装置(CPU)コアを自主開発するための“マングース”プロジェクトを中止すると明らかにした。
モバイル中央処理装置は、スマートフォンの“頭脳”に該当するアプリケーション・プロセッサ(AP)の核心装置で、このうちコアはデータ演算を担当する。サムスン電子は「EXYNOS」(エクシノス)というブランドで中央処理装置とグラフィック処理装置(GPU)で構成されるスマートフォン・アプリケーション・プロセッサを作ってきたが、CPUのコア設計は英国のARM社に依存してきた。サムスン電子は、CPUコアを独自開発するために2010年から別途のチームを運営してきた。名称は毒蛇の天敵として知られる哺乳類のマングースから取ってきた。
サムスン電子は、今回のプロジェクト中止について、システム半導体事業の競争力強化という次元で選択と集中のためだと説明した。サムスン電子の関係者は「独自のCPUコア開発の代わりに、GPUなどに力をさらに集中するため」と話した。業界では、モバイルCPU強者のクアルコム製品に比べて電力効率と発熱などで競争力を問い詰め、今回の決断をしたのではないかと評価されている。
サムスン電子のプロジェクト中止で、米国テキサス州オースチンの開発人材約300人とカリフォルニア州サンノゼ地域の開発人材が解雇されるものと見られる。サムスン電子は先月29日、米国テキサス州の労働委員会に「オースチンのサムスンオースチン研究センター(SARC)とサンノゼのアドバンスド・コンピューティングLAB(ACL)のCPUプロジェクトを中止する」と明らかにした。