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グーグル・ネットフリックスを狙ったデジタル税、サムスン・現代もターゲットに?

登録:2019-10-30 21:19 修正:2019-11-06 16:39
OECDデジタル税議論、IT企業から製造業に拡大 
当初ターゲットになった米国の圧力で、サムスン・現代も該当 
多国籍企業が売上をあげた国家が税金を分け合うよう設計 
韓国政府「国益が最大限に反映されるよう交渉する予定」 
来年初めに合意案出る見込み…本格施行には3~4年予想
多国籍企業の利益の一部をデジタル税として賦課する「統合接近法」概念図。図中のAがデジタル税に該当する=企画財政部提供//ハンギョレ新聞社

 サムスン電子・LG電子・現代自動車など全世界的に営業する韓国の大企業も、いわゆる「グーグル税」と呼ばれるデジタル税の課税対象に含まれる可能性が高まった。デジタル税は、当初グーグル・フェイスブックなど国境を越えて事業をするインターネット基盤のグローバル企業を狙って議論が始まったが、米国の圧力で消費財を生産する多国籍企業にも課税する方向で議論が進められているためだ。合意結果により韓国の大企業の税負担が増えることもありうる。来年1月末にデジタル税の合意導出期限を控えて、自国の産業・経済の保護と国税収入防御のために主要国の激しい力比べが繰り広げられると見られる。韓国政府も今年3月からタスクフォース(TF)を設けて、対応策などを用意している。

 30日、企画財政部の説明によれば、経済協力開発機構(OECD)は今月初めに世界各国の利害関係を調整しデジタル税の二つの大枠を提案した。市場が所在する国家の課税権を強化する「統合接近法」と租税回避を防ぐための「グローバル最低限税」だ。

デジタル税//ハンギョレ新聞社

 統合接近法は、多国籍情報通信企業はもちろん、スマートフォン、家電製品、自動車などの消費者を対象に事業をする多国籍企業もデジタル税の適用対象と見る。既存の議論のとおりにデジタル税が導入されれば、グーグル・フェイスブックなどの米国企業が主に被害をこうむると憂慮され、米国政府が消費財を販売する企業も課税対象に含めなければなければならないと要求し、反映されたものだ。製造業者もソーシャルメディア、オンラインマーケットなどを通してマーケティングを行い価値を創り出すので、デジタル事業分野では情報通信企業に他ならないというのが統合接近法の課税論理だ。このようになればサムスン電子・LG電子・現代自動車など韓国の大企業も課税対象になる。

 現在は、法人の所在地など固定事業場がある国家にのみ法人税を納付している。だが、統合接近法は世界各国の消費者から得た利益により発生した税金を、親会社がある国家だけが得るのでなく、売上が発生した地域の国家が分け合わなければならないという趣旨だ。

 統合接近法で議論される課税方法は、多国籍企業の利益を通常利益と超過利益に分けて、超過利益の一部に対して売上が発生した国が自国の法人税率により課税する方案だ。通常利益は有形資産を通じて発生する利益、超過利益は無形資産を利用して発生した利益と見る。例えば、超過利益の10%に対して売上が発生した国家が課税権を持つことで合意するケースを見てみよう。もし、サムスン電子が超過利益10兆ウォン(約9300億円)を上げたとすれば、10%に当たる1兆ウォンに対して売上が発生した国が法人税を課税することができる。もし韓国・中国・日本など10の国で同じ売上が発生したとすれば、10の国がそれぞれ1兆ウォンの10分の1に当たる1千億ウォンに対する課税権を持つ。国ごとに法人税率が異なるため、法人税率が高い国家で多くの売上を上げれば、サムスンの立場では本社のある韓国にだけ1兆ウォンに対する税金を払う時より税金の総負担が増える可能性もある。

 韓国政府の立場では、既にサムスンが納めた税金の一部を他の国に配分することになるので、税収が減りうる。反対に、グーグルが韓国で上げた売上に対して韓国政府が課税権を持つようになるので、どのような基準を適用するかにより税収の増減が決まる。企画財政部のキム・ジョンホン国際租税制度課長は「私たちの立場では、最大限の国益確保のために韓国の企業が外国に税金をあまり出さずに、グーグルなど情報通信企業に私たちがより多く課税できる方向で交渉しなければならない」と話した。

 統合接近法でも解決できない租税回避問題を防止するために、最小限一定水準以上の税金を納付させる「グローバル最低限税」を導入する方案も論議中だ。多国籍企業が、法人税率の低い国家で多くの所得を上げたように調整し、法人税負担を減らすことを防ぐための措置だ。

 OECDは、11月と12月にそれぞれ統合接近法とグローバル最低限税の公聴会を開く。来年1月末には、OECDと主要20カ国・地域(G20)内の租税回避対応協議体である「インクルーシブ・フレームワーク(IF)」総会を開き、最終合意を導き出す。ただし、合意案が盛り込まれた報告書は、来年末に発刊され、その後に規範化作業も必要なため、実際の履行までにはさらに3~4年かかるだろうと韓国政府は予想している。

イ・ギョンミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/915115.html韓国語原文入力:2019-10-30 20:23
訳J.S

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