韓国の租税財政政策の所得再分配効果が、経済協力開発機構(OECD)28加盟国中で最下位であることが分かった。
現代経済研究院が11日に出した「租税財政政策の所得再分配効果の国際比較」報告書によれば、韓国の低所得層は政府の租税財政政策にもかかわらず、80.5%が相変らず低所得層として残っていて、貧困脱出率は19.5%に過ぎなかった。貧困脱出率とは、政府の支援金と年金保険受領額など政府政策施行以前(市場所得基準)の低所得層(世帯人数により所得を標準化した均等化中位所得の50%未満)が、政府の政策後(可処分所得基準)に中産層や高所得層に移動した比率を意味する。
一方、米国・フランス・英国などOECD28加盟国(合計36カ国のうち、日本・トルコなど8カ国を除く)の平均貧困脱出率は64.1%だった。これは、ルクセンブルク所得研究(LIS)データ(OECD加盟国別2010~2016年のある時点)を活用して研究院が算出した結果だ。韓国のデータは2012年基準だが、2016年統計庁世帯動向調査データ(農漁業世帯を除く)で分析した結果でも、貧困脱出率はOECD平均よりはるかに低い24.7%と現れた。
租税財政政策を通した低所得層の「所得改善効果」も、韓国はOECD平均(62.1%)に比べて大幅に低い11.5%に終わった。加盟国全体で低所得層の平均市場所得は中位所得の13.7%だったが、再分配後の可処分所得は中位所得の75.8%まで増え、所得改善効果は62.1%に達した。反面、韓国の低所得層の市場所得(月47万ウォン)は、中位所得(月184万ウォン)の25.3%で、OECD平均に比べて高かったが、再分配以後の可処分所得(月68万ウォン)は中位所得の36.1%に終わった。
研究院は、韓国の所得再分配効果が低いのは国内総生産(GDP)に対する社会福祉支出額の比重(2016年10.4%)がOECD平均(21.1%)の半分にも達しないためと分析した。老後所得保障の尺度である公的年金の所得代替率が39.3%で、OECD加盟国平均(58.7%)に比べて大幅に低い点も背景に挙げられた。研究院は「租税財政政策の所得再分配機能を強化するには、個人の社会的負担と福祉に関する社会的合意が必要だ」と指摘した。