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緊張感を高めただけの韓米FTA初会合…「いかなる合意もできず」

登録:2017-08-23 02:50 修正:2017-08-23 07:01
22日朝午前から午後4時まで続いた探索戦 
米国「ただちに改定に着手しよう」-韓国「共に效果分析から」 
立場の相違を確認…「両国とも予期しなかったカードを提示せず」 
韓国側首席代表「両方とも心残りを感じた方がいい」 
韓米FTA共同委員会の特別会期が開かれた今月22日午前、ソウルのロッテホテルで両国首席代表のキム・ヒョンジョン通商交渉本部長とロバート・ライトハイザー米通商代表部代表が映像会議を行っている。両国代表団が首席代表間会談に耳を傾けている//ハンギョレ新聞社

 韓米両国が韓米自由貿易協定(FTA)の改定に向けて開始するかどうかをめぐり、高官級マラソン交渉を行ったが、両国の間に何の合意もなく、次回の日程も決められないまま終わった。「直ちに協定の改定に着手しよう」という米国側と、「まず発効5年間の効果分析から始めよう」という韓国側の主張が対立し、明確な立場の相違を確認する線で終わったことで、協定の改定に突入するかどうかをめぐる両国の緊張感がむしろ高まった。今後、実務チャンネルを中心に、水面下の攻防が長期間にわたって一層加熱する公算が大きくなった。

 キム・ヒョンジョン産業通商資源部通商交渉本部長は22日、ソウル小公洞(ソゴンドン)ロッテホテルで開かれた韓米自由貿易協定共同委員会の初めての特別会期が終わった直後、政府ソウル庁舎で記者会見を開き、「両国はいかなる合意にも到達しなかった」とし、「私たちは米国の一方的な改定要求に同意できず、協定締結以降5年間の効果に対する客観的な調査・分析が先行されるべきという立場を明確に伝えた」と述べた。彼はさらに、「私たちが提案した両国の共同調査・分析に対する米国側の返答を待っている」と付け加えた。回答の時限については、米国側はまだ言及していない。キム本部長は「私たちの共同調査の要求を米国が受け入れない状況まで、すべての可能性について検討している」と話した。両国は、今後の協議日程を定めず、共同委員会の枠組みの中で引き続き協議していくことにした。

 同日午前8時からソウル小公洞ロッテホテルで非公開で開かれた特別会期は、午後4時頃までのマラソン会議につながった。本格実務会議に先立ち、キム・ヒョンジョン本部長は、ロバート・ライトハイザー米通商代表部代表と30分間映像会議を開いた。分厚い韓米自由貿易協定協定文を持って交渉に乗り出したキム本部長は、映像会議を終えた後、国会の日程に出席するために会議場を去り、続いてユ・ミョンヒ産業部タスクフォース(TF)交渉官を中心に構成された韓国代表団と米国代表団は互いに握手を交わした後、すぐに高官級対面実務会議に入った。それぞれ10人で構成された両国の代表団は会議中“銃声のない戦争”のような激しい攻防を繰り広げた。韓国側は米国の貿易(商品)収支の赤字が必ずしも協定によるものではないという主張を支える韓米協定の効果の分析資料などを持ってテーブルについた。

 双方は同日、今回の会期で、協定改定の必要性や貿易赤字の原因、協定の効果に対する共同調査の必要性という3大項目について激しく対立した。ジェイーミスン・グリアー米通商代表部(USTR)秘書室長が率いた10人の米国交渉代表団は、協定発効5年の間、韓国に対する貿易収支の赤字(2016年277億ドル)が2倍に増えたと序盤から不満を露わにしながら、「早いうちに協定の改定・修正を開始し、貿易収支の不均衡を解消しなければならない」としながら、韓国側を圧迫した。米国側は特に協定の忠実な履行を要求し、自動車・鉄鋼・情報技術(IT)の交易での貿易収支の不均衡と輸入品に対する税関当局の原産地検証まで品目別の問題を集中的に列挙し、「ただちに改定すべき」と主張し続けた。これに対し、韓国側は「両国間の貿易収支の不均衡は、韓米協定のためではない」と主張し、協定が相互互恵的利益バランスを達成しているという点を積極的に説明した。

 韓国側はまた、「米国が主張する貿易赤字に関する憂慮を私たちもよく分かっているが、この協定は貿易・投資・雇用で両国において相互互恵的」だと強調し、米国側の一方的な改定要求に同意できないという立場を明確に示した。さらに、「改定を検討する前に、協定が両国の貿易・経済に及ぼした効果を客観的に調査・評価する作業を両国が一緒に進めるべき」と数回にわたって提案し、対抗した。にもかかわらず米国代表団は終始一貫して「莫大な貿易収支の赤字の原因は韓米自由貿易協定」だと主張した。ドナルド・トランプ大統領が韓米自由貿易協定について「恐ろしい災難、破棄」という言葉を繰り返してきたが、同日米国代表団は交渉のルールを意識したからか、「条約の破棄」は言及しなかった。

 両国が同日、約8時間にわたって、それぞれの論理と統計を前面に掲げ、固い表情で舌戦を繰り広げたにもかかわらず、初会合ではいかなる合意も導き出せなかったことで、改定をめぐる議論は長期戦になる可能性が高くなった。今のところ、「協定の効果を共同で調査・分析しよう」という韓国側の要求に対する米国側の返答を待つことだけが残っている。キム本部長は「適切な時期に米国側から返答が来ると期待している」とし、「返答が来る前まで実務レベルで追加交渉を行う計画はない」と述べた。韓米自由貿易協定の協定文(第22.2条)によると、改正交渉に着手するためには、両方の当事国がコンセンサス(合意)に至らなければならない。キム本部長は「通商交渉は一般的に両方とも心残りを感じつつ別れるのが一番よい」という言葉で、この日の初対面を評価した。会議が終わった後、米国代表団は記者団の質問には答えず、急いで席を立った。

チョ・ゲワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/807808.html 韓国語原文入力:2017-08-22 22:07
訳H.J(2506字)

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