文在寅(ムン・ジェイン)政権が政権初年度の経済成長率を3%と予測した。世界経済の回復と雇用、補正予算の効果などを考慮した予測値だ。政府は所得主導の成長を導くために、財政支出の増加率を経常成長率より高い5%以上で管理していく方針だ。
企画財政部は25日、「新政府の経済政策方向」を発表し、今年の成長率が3.0%に達するとの見通しを示した。政府の見通しが現実化した場合、韓国経済は2014年(3.3%)以来3年ぶりに3%台の成長を遂げることになる。政府は昨年末、今年の成長率を2.6%と見通した。
3%台の成長率を見込んだ背景には、やはり世界経済の好調による輸出・投資回復がある。輸出額は半導体・石油化学など主力品目を中心に、今年1月から6カ月連続で二桁台の増加率を記録している。主要製造業装備などの機械類への投資が増加し、設備投資も増加傾向にある。イ・チャヌ企財部次官補は「景気回復の勢いは下半期にも続くと予想されるが、上半期に比べて成長モメンタムはやや減速するものとみられる」としたうえで、「補正予算案の可決が遅れ、政策効果が弱くなった影響もあるかもしれないが、現在としても0.2%ポイント程度(成長率の向上効果)はあるものと見ている」と話した。政府は2018年の経済成長率展望値も今年と同じ3.0%と予測した。
家計所得の増大と雇用創出に向けた財政の役割も繰り返し強調した。政府は今後5年間、財政支出の増加速度を物価水準を考慮した成長率(経常成長率)より高く管理する方針だ。政府の今年の経常成長率見通しは4.6%だ。昨年「2016~2020国家財政運用計画」で今後5年間、財政支出の増加率を年平均3.5%に据え置いていたのに比べ、拡張的財政政策を展開するということだ。キム・ドンヨン副首相兼企画財政部長官は同日、経済政策方向のブリーフィングで、「国政企画諮問委員会の報告によれば、現在、総支出の増加を約4.7%程度と予想しているようだ。政府は経常成長率を4.9~5%程度と予想した場合、任期中の総支出の増加率をそれより高いレベルで管理していく」と明らかにした。
しかし、これは5・9大統領選挙当時、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「ジェイノミックス」構想として発表した年平均7%の財政支出増加率よりは後退した水準だ。流動的な歳入状況と増税案の推進に伴う政治的な敏感度を考慮し、「4%台後半~7%」まで財政執行の余裕空間を用意するためと見られる。さらに、政府は国内総生産(GDP)における福祉支出の割合(2016年10.4%)も、高齢化などを考慮し、適正水準に拡大することにした。イ次官補は「他の国などに比べ、現在より2~3%程度は(文在寅政権の任期以内に)高めるべきと見ている」と話した。