昨年、韓国の実質国内総生産(GDP)成長率は2.8%で、2015年に続き2年連続で2%台に留まった。1人当り国民総所得(GNI)も2万7千ドル台に終わった。特に国民所得のうち家計と企業の持分が減った反面、政府持分は大幅に増えたことが分かった。家計は消費を減らし、企業は設備投資を減らすなど腰のベルトをきつくしめたが、政府だけが税収好況を享受したわけだ。
韓国銀行が28日に発表した「2015年国民経済計算(確定)および2016年国民経済計算(暫定)」資料によれば、昨年の実質国内総生産成長率は2.8%と暫定集計された。これは2015年と同じ水準で、1月に発表された速報値より0.1%p上方修正された数値だ。これにより韓国の経済成長率は最近5年間で2014年(3.3%)を除いて4年間2%台に終わることになった。
1人当り国民総所得は2万7561ドル(3198万4千ウォン)で、前年(2万7171ドル)より1.4%(390ドル)増えた。1人当り国民所得が小幅に増えはしたが、3万ドル達成は失敗に終わり、2006年(2万795ドル)に2万ドルを初めて突破した後、11年間にわたり2万ドル台で足踏みしたわけだ。国民総所得は、実質的な国民所得を測定するために国内総生産に交易条件の変化を反映した指標だ。
さらに大きな問題は、国民所得のうち民間部門である家計と企業の比重が減った点だ。昨年の国民総可処分所得(名目基準)1632兆6千億ウォン(約163兆円)のうち、政府所得は376兆8千億ウォンだ。前年より9.5%増加した。反面、家計と企業はそれぞれ929兆6千億ウォンと326兆2千億ウォンを記録して、増加率がそれぞれ4%と0.5%に終わった。 これに伴い、政府所得の比重は昨年の23.1%から1.1%p増加した。一方、家計(56.9%)は0.3%p減り、企業(20%)も0.8%p減少した。企業所得には不況で困難をきたしている自営業者の所得も含まれる。
チョン・ギュヨル経済統計局長は「昨年、政府部門所得が増加したのは税収好調のため」とし「その反面、家計は純利子所得が減り、企業も営業利益の増加傾向が鈍化し成長の勢いが停滞した」と説明した。
また支出も政府が主導した。昨年の国内総生産のうち最終消費支出は2.9%増えた。 これは前年度(2.4%)より0.5%p増えた水準で、政府が健康保険給付費などの支出を4.3%増やしたためだ。一方、民間消費支出は2.5%の増加に終わった。家計は家計負債の急増など未来に対する不安感のためか貯蓄を増やした。純貯蓄は81兆8千億ウォンで、前年より2兆5千億ウォン増加した。ただし家計純貯蓄率は2015年と同じ8.1%だった。