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四面楚歌の現代自動車…変革こそが生き残る道

登録:2017-07-19 23:41 修正:2017-07-20 15:19
中国販売半減…米国・欧州も不振 
慢性的な労使対立に大量リコールまで重なり 
車産業のパラダイム転換期の岐路に立ち 
「量的成長に偏ったのが失敗の原因、 
質的競争力向上にもっと投資すべき」
グラフィック キム・スンミ//ハンギョレ新聞社

 国内自動車産業を代表する現代自動車の未来を心配する声が高まっている。世界最大市場である中国と米国で販売が急落し、慢性的な労使対立に製品の欠陥による大量リコールまで、悪材料が絶えないからだ。自動車産業のパラダイムが急変する時期に需要鈍化と競争激化、高コスト・低効率生産構造などが重なり、現代自動車が岐路に立っていると専門家たちは指摘する。

 昨年、韓国の国家別自動車生産量順位は、インドに押され5位から1段階落ちた。いまやメキシコの追撃で6位の座すら危うくなるほどだ。自動車産業がこのように揺さぶられるのは、長兄格の現代自動車の不振によるものが大きい。

現代自動車の実績現況(資料:金融監督院電子公示、キウム証券、現代自動車)//ハンギョレ新聞社

 現代自動車は昨年18年ぶりにマイナス成長となった。販売減少は、通貨危機以来初めてだ。年間営業利益率は2011年の10.3%から毎年下落し、昨年5.5%に落ちた。主要市場での競争激化と販売不振の中で、マーケティングなどに大きな費用をつぎ込んだからだ。さらに深刻な問題は、このような悪循環が繰り返されているという点だ。今年上半期、国内外の販売量(219万8千台)は、昨年同期より8.2%減少した。中国は半減しており、米国では8.6%、欧州では6.5%減少した。

 来月末、中国内の5番目の工場である重慶工場の稼動を控え、現代自動車の悩みは深まっている。販売急減事態が落ち着く気配を見せていないからだ。現代・起亜自動車は先月、中国市場で前年同期に比べて60%ほど販売量が減少した。3月、THAAD(高高度防衛ミサイル)配備による対立が起こって以来、4カ月連続の減少傾向を示している。工場稼働率は半分になっており、長い間築き上げてきた販売網も亀裂が入り始めた。会社関係者は「現地型新車を投入するなど全力を傾けたがなすすべがない」と話した。

 しかし、THAADのせいばかりとはいえない。製品競争力が弱体化し、新車種の発売時期を逃しているのがより大きな問題だと専門家らは指摘する。急成長した中国の現地業者は費用対効果を前面に出し、現代・起亜自動車のぎりぎりまで押し上げてきた。キム・ピルス大林大学教授(自動車学)は「中国と米国で現地適合型車種の開発と新車発売が遅れ、タイミングを奪われたのも原因」とし、「新車種の開発戦略はもっと緻密で細密にしなければならない」と話した。

 大量リコール問題や品質を巡る議論、対立的な労使関係なども、現代車の足を引っ張っている。これまで現代車が量的成長に集中し、市場の流れを逃して危機を招いたと見る人も少なくない。イ・ハング産業研究院先任研究委員は「一時GMが破産し、トヨタが大量リコールで困難に直面した時、現代自動車が相対的によく売れたことがあったが、これを競争力と見たのが錯覚だった。量的成長に偏ったあまり新技術と未来車の開発を疎かにしたのではないか、省みなければならない」と指摘した。

今月19日(現地時間)、現代自動車の中国重慶工場の生産記念式に出席した張國清重慶市長(真ん中)がチョン・ウィソン現代車副会長(右)と一緒に試験生産した現地戦略型小型車を眺めている=写真、現代自動車提供//ハンギョレ新聞社

 現代自動車は26日、第2四半期の業績を発表する。さまざまな悪材料で証券街では昨年同四半期より2桁以上の営業利益率の下落を予想している。ここに米国のトランプ行政府が韓国産自動車や鉄鋼を指摘し、韓米自由貿易協定(FTA)の改定交渉まで持ち出し、現代自動車は次第に四面楚歌に追い込まれるかたちだ。最近、競争力強化タスクフォース(TF)を発足させ、海外法人長らを呼び危機打開案を模索する様子も現代自動車の危機意識を表している。イ・ハング委員は、「自動車産業のパラダイムが急変する時期にしっかり対処できなければ、2~3年後に落伍しかねない。量的成長より質的競争力を高めるのにもっと投資するべき」と話した。

ホン・デソン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/car/803468.html 韓国語原文入力:2017-07-19 21:55
訳M.C(1812字)

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