現代・起亜自動車が中国市場で2カ月連続で低調な販売実績を出した。中国での販売量は3月に続き、先月もほぼ半分に低下したものと推算される。中国進出15年ぶりに迎えた最大の危機だ。
現代自動車は2日、今年4月の国内外での販売量が前年同月より11.7%減った36万4225台だったと明らかにした。新車発売の効果で、国内販売が1.5%増えたが、海外での販売は13.9%も減少した。現代自動車は地域別の販売現況が集計されていないとの理由で、数値を公開しなかったが、中国での販売量は前月同様激減したという。起亜自動車の海外販売も前年同期より13.9%減少した。やはり「中国ショック」が大きかった。
これをめぐっては、THAAD(高高度防衛ミサイル)局面に伴う短期的な悪材料であり、時間が解決する問題という観点と、長期化の可能性を念頭に置いて対応策を講じなければならないという異なる見方が存在する。過去、尖閣諸島(中国名・釣魚島)事態で大きな打撃を受けたトヨタは当時失ったシェアを回復するまで2年近くかかった。
現代・起亜自動車がトヨタと同じ道を辿るかどうかはまだ不透明だ。領土紛争中の尖閣諸島をめぐる日中の対立が起きていた当時は、トヨタに対する不買運動が1年以上も続き、販売量も5四半期連続で減少した。THAAD問題もまた、政治外交問題ではじまり、反韓感情に拡大して、制御できない状況で展開されており、結末を予測するのは難しい。大林大学のキム・ピルス教授(自動車学)は「中国で発生した不買運動などを考慮すると、韓国で新政府が発足してから、韓中首脳会談が開かれたとしても、THAADの影響は少なくとも6カ月から1年は続くだろう」と見通した。
問題は中国自動車市場の環境変化とますます曖昧になっている現代・起亜自動車の位置である。合弁生産を通じて急成長した中国の地元メーカーは、費用対効果を前面に掲げ、現代・起亜自動車を猛烈に追い上げている。THAADは泣きっ面に蜂だ。トヨタは2年ぶりに実績を挽回したが、現代・起亜自動車では、価格と品質、技術競争で遅れを取りかねないという危機感が漂っている。実際、今回のTHAAD事態に関わらず、現代・起亜自動車の中国でのシェアは下落傾向にある。現代自動車の中国でのシェアは2013年6.8%をピークに毎年減少し、昨年は5.1%に下がった。今年に入ってからは3%台に落ち込んだ。
現代・起亜自動車は新車発売を通じて突破口を見出す計画だ。各地域のニーズに合わせた小型乗用車と準中型級のSUVで、現地人たちを振り向かせるという戦略だ。キム教授は「中国市場の変化によって、車種開発と新車投入が適期に行われることが非常に重要になった。THAAD問題は仕方がないとしても、対中国戦略を体系的に練り直して、整えていかなければならない」と話した。