登録 : 2017.06.07 22:53 修正 : 2017.06.08 12:00

経済理論にそぐわない現象が継続 
「非正規職の増加と人口構造の変化 
景気悪化の懸念など複合的作用」と解説

日本の失業率・平均給与の推移(資料:総務省・厚生労働省)//ハンギョレ新聞社
 日本で第2位の宅配会社である佐川急便は、週3日休むトラック運転手を正社員として採用することにした。育児や親の介護のため一週間に3日は休まなければならない人たちがおり、そのような人まで採用しなければ人手不足が解消されないためだ。業界1位のヤマト運輸も同様の制度の導入を検討している。大和証券は、故郷で働きたい若者が多いという事実を考慮し、今年から転勤のない職群を別途設けた。

 景気は回復しているが経済活動人口は減少しているために、日本の産業界のあちこちで求人難が深刻になっている。就職情報サイトのディスコは、来年大学・大学院卒業予定者のうち就職内定を受けた人は63.4%で、昨年より8.5%ポイント増えたと6日発表した。日本では就職市場が求職者優位に変わったという報道があふれている。失業率は4月基準で2.8%で、事実上完全雇用レベルだ。

 人手が不足すれば賃金が上がり、これによって消費も増加する好循環が発生しなければならないが、現実はそうではない。ウォール・ストリート・ジャーナルは、労働力は不足しているのに賃金は停滞状態であり、経済学者らも頭をかしげる“ジャパン・パズル”現象が続いていると報道した。日本の総務省が集計した労働者の月平均賃金は、1997年に29万8900円で、昨年の30万4000円とほぼ変化がない。安倍晋三首相が大規模な量的緩和を筆頭にアベノミクス政策を推し進めた2012年以降を見ても、2014年は29万9600円、2015年は30万4000円とそれぞれ1.3%と1.5%の上昇にとどまった。昨年は30万4000円で前年と同じだった。

 これを説明するいくつかの仮説がある。まず、賃金が低い非正規雇用の割合の増加である。非正規職の割合は40%以上と、1990年代の20%水準から急増した。別の説明は人口構成の変化だ。高い賃金を受け取っていた高齢者が一気に退職し、若い世代は低い初任給を受ける。このため平均賃金があまり上がらない。未来の経営状況を楽観できない企業が、賃金引上げを渋ることも主な原因とされている。労働者側でも基本給をたくさん上げた場合、景気の悪化時の雇用不安を招きかねないという心配のために引き上げを積極的に要求しない。

 BNPパリバ証券の河野龍太郎経済調査本部長はロイター通信に寄せた「人手不足でも賃金停滞、日本最大の謎」というタイトルのコラムで「組合や従業員ですら、固定費の増加で終身雇用に悪影響をもたらすことを懸念し、ベースアップを強くは望んでいない。業績がよくなれば、ボーナスの増額を要求する傾向が強い」と分析した。

東京/チョ・ギウォン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2017-06-07 18:00
http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/797870.html 訳M.C(1277字)

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