2008年の金融危機以後、世界経済は暗いトンネルから抜け出る兆しを見せているが、韓国経済は今なお真冬だ。危機の本山だった米国経済さえも足早な回復傾向に入り、外国為替危機以後19年ぶりに年間基準で成長率が韓国を上回る可能性まで提起されている。
19日に閉幕した「主要20カ国財務長官および中央銀行総裁会議」が発表した共同宣言文はこのように始まる。「私たちはグローバル経済回復の進展が成される瞬間に会うことになった」。もちろん「成長速度は相変らず望ましい水準よりは遅く、世界経済に下振れリスクは続いている」と但し書きが付いた。
国際機構は世界経済展望(WEO)を通じて具体的な数字でこうした世界経済の流れを見せている。7日、経済協力開発機構(OECD)は今年の世界経済成長率を一年前より0.3%p高い3.3%とし、来年成長率は3.6%と展望した。世界経済は春日が差していると評価される。
韓国経済の流れはこれとは異なる。成長率は昨年が2.7%で今年は2.6%(政府・国際通貨基金)と展望されている。IBK経済研究所など一部の経済分析機関では、韓中軋轢など内外の不確実性が高まれば、韓国の成長率が当初展望より0.5%急落しかねないと見通した。2%序盤の成長率も危ういという意味だ。
そうなれば、韓国経済が年間基準で米国の成長率にも達し得ないのではないかとの展望が出てくる。2008年世界金融危機の震源地であった米国は、その後10年近く2.0%前後の低成長に留まったが、最近に入って失業率が4%台に低下し賃金上昇率が高まるなど景気改善傾向が明確だ。米国の連邦準備制度(Fed)が昨年12月に続き今月にも政策金利を引き上げ、金融引き締めに出たのも米国経済の足早な回復傾向が背景にある。国際通貨基金(IMF)は米国の今年の成長率を昨年(1.6%)より何と0.8%pも高い2.4%と展望した。
すでに種々の指標で韓米逆転現象は現れている。分期基準の成長率(前分期対比)は、昨年の第3四半期以後、二四半期連続で米国に遅れをとった。米国の成長率は昨年第3四半期0.9%で、韓国(0.6%)より0.3%p、昨年第4四半期にも韓国より0.1%p高かった。韓国の四半期基準の成長率が、二四半期連続で米国を下回ったのは、2014年3~4四半期以後2年ぶりだ。失業率でも2月に韓国(5.0%)は米国(4.9%)を追い越した。2001年3月以後16年ぶりのことだ。
金融市場でもこうした逆転現象が明確だ。両国の5年物国債金利は、すでに昨年11月に逆転した。韓国銀行の資料によれば、昨年11月の月間基準韓国国債(5年満期)金利は1.74%、米国債(5年満期)は1.84%であった。その後、両国の金利スプレッド(格差)は多少縮まったが、2月現在も韓国より米国の金利が0.07%p高い。債券金利は景気回復に対する期待感が高まるほど上がる。