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「韓国経済は絶体絶命の危機…成長軌道から完全に離脱した」

登録:2017-03-03 02:08 修正:2017-03-03 06:22
韓国経済学会政策セミナー
 
新たな産業・雇用創出など  
政府支援なしにはできない状況 
「システムの失敗」の指摘出て 

低成長から脱出できる代案の提示 
症状・財閥改革・財政拡大 
ベンチャー企業には差等議決権付与し 
人口部・大統領直属の通商委員会設置すべき 
ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社  

 「危機」という幽霊が韓国を数年間徘徊している。「4月危機説」のように根拠が稀薄な危機説もたびたび出没する。国家信用格付けは歴史上最も高く、外貨保有高が十分あるにもかかわらず、“経済危機論”が絶えない理由は何だろうか。さらに、危機から脱するためには何が必要だろうか。

■「絶体絶命の危機」韓国経済

 韓国経済学会は2日「絶体絶命の危機の韓国経済、どこに向かうべきなのか」をテーマに政策セミナーを開いた。国内経済分野で“長兄”とも言うべき同学会が現在の状況を「絶体絶命の危機」と見なしたのだ。ク・ジョンモ学会長(江原大学教授)はセミナー前に行ったハンギョレとのインタビューで「絶体絶命の危機という言葉が大げさに聞こえるかもしれない。しかし、対内外的に『パーフェクトストーム』が立ち込めている。大統領選挙局面で経済学者たちが声を出さなければならないという切迫感の中でこのセミナーを企画した」と話した。分野別に国内を代表する学者たちが発表者を務めた。

 マクロ・金融分野の専門家である高麗大学のシン・グァンホ教授は「低成長」をキーワードに危機論を展開した。シン教授は韓国経済が1989年と1997年の2回にわたり大幅な成長鈍化を経験したと紹介した後、「世界金融危機以降、2010年頃から成長率3%以下の低成長に本格的に差し掛かった」と話した。彼は「現在の低成長は景気循環のレベルから一歩進んで、構造的要因による低迷」だとして「ヒステリシス現象」まで言及した。ヒステリシス現象とは、経済が従来の成長軌道から離脱し、元に戻れない現象を指す。

今月2日午後、ソウル中区の銀行会館国際会議室で「2017年度韓国経済学会第1次政策セミナー 絶体絶命の危機の韓国経済、どこに向かうべきなのか」が開かれている=キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社

 産業専門家のソウル大学のイ・グン教授は「ミスマッチ」と「システムの失敗」という表現を繰り返し使った。イ教授は「今の危機の様相は、新しい企業や産業、雇用が政府の支援なしには自ら長期志向的かつ果敢な投資を通じて創出できないシステムの失敗」だとしたうえで、「長期的投資の必要性と英米式の株主資本主義の間に『ミスマッチ』が起きている」と診断した。

 江原大学のイ・ヒョンフン教授は、人口高齢化・第4次産業革命・所得の両極化や社会的対立の深化、逆世界主義を「メガトレンド」に挙げ、「世界的に変化の波が押し寄せている現在の状況そのものが、資源が不足して貿易で動力を用意しなければならない韓国を絶体絶命の危機に追いやっている」と主張した。イ教授は「1997年の通貨危機が脳卒中なら、現在の危機は沈黙の殺人者の糖尿病と類似している」と付け加えた。

■絶体絶命の危機の代案は?

 シン・グァンホ教授は「低成長脱皮」に向けて付加価値税中心の増税と財閥改革、積極的な財政拡大政策を提案した。成長率を高めるためには、規制改革をしなければならないが、この際に現れる社会的弱者の被害を減らすためには、セーフティーネットの強化に向けた増税が必要だということだ。シン教授は「増税を通じて、社会保障環境を用意し、規制改革を同時に推進しなければならない」と強調した。彼は、財閥が革新の主体でありながら、競争と革新を妨げる要因でもあると診断し、財閥改革を提案した。彼は「小口株主の被害を減らすための投資者保護を強化すると共に、競争を促進して公正な競争ムードづくりのための制度改善が必要だ」と話した。また、「経済にヒステリシス現象が現れた際には、政府が財政を積極的に拡大すれば、むしろ国内総生産(GDP)が増加して政府負債(割合)を下げられる」と強調した。このほかにも、持続的成長のためには経済的不平等を解消しなければならず、このためには租税政策よりもさらに効果的な福祉の拡大が必要だと、彼は声を高めた。

 イ・グン教授は現在、公共研究機関は実験室レベルの技術開発に止まっているとし、「公共研究機関は自社研究開発能力がない中小企業がすぐに使える技術を提供しなければならない」と主張した。また、果敢な長期投資のためには経営権防御の手段になっている「複数議決権株式」をベンチャー企業の創業者に限定してでも認める必要があると指摘した。イ教授は「グーグルやフェイスブックが果敢な投資を行うことができた理由は、創業者が複数議決権株式を通じて50%以上の議決権を確保しているため」とし、「同じ脈絡で、(企業成功後、大きな利益を享受できる)ストックオプション制度も大幅に拡大する必要がある」と話した。イ教授は労働市場の両極化や若者の就職難を解決するためにも、このような政策は必要だと付け加えた。大企業の有能な社員が会社を飛び出して創業し、ストックオプションや複数議決権株式を通じて大きな収益を享受できれば、中小企業を敬遠する若者も減少するだろうということだ。

 イ・ヒョンフン教授は、政府組織の再編を強調した。イ教授は「既に高齢化など人口問題は、時期を逃した。今からでも、女性家族部を人口部に変えて人口問題に総力を挙げて対応し、逆世界主義に対応するためには産業通商資源部を解体して大統領直属の国際通商委員会を設置しなければならない」と提案した。

キム・ギョンラク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/784878.html 韓国語原文入力:2017-03-02 17:26
訳H.J(2523字)

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