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新技術に対応し韓国の企業文化に変化 中年幹部には構造調整の影

登録:2016-03-28 22:20 修正:2016-03-29 11:48
部長や次長の椅子がなくなる
新技術に対応し韓国の企業文化に変化//ハンギョレ新聞社

サムスン電子「プロ」「さん」に呼称統一
LG電子、課長でも部署長をできることに
「中壮年退社構造」に対し社内外反応
「すでに構造調整は可能な状況」反論も

 「沙悟浄(サオジョン)」(四五歳定年)とか「五六島(オリュクト)」(五六歳まで職場に残っていれば盗賊)といった自嘲混じりの表現に象徴される中壮年サラリーマンが、最近企業にまき起こった水平的組織文化拡散に震えている。 中壮年層の早期退職が一般化されている状況で、既存の業務と呼称、職級体系の変化などにより退、職が一層前倒しされかねないという憂慮のためだ。

 28日、サムスン電子とLG電子の説明を総合すれば、サムスン電子は水平的組織文化のために既存の部長、次長、課長などの呼称を「プロ」、「さん」、「マネージャー」のような水平的呼称に統一する計画だ。 不必要な会議や報告も減らし、「新生ベンチャー企業」のように素早い実行と開かれた疎通で革新を試みるということだ。 LG電子も呼称は維持するが、能力に応じて課長や次長でもこれまで部長が務めてきたチーム長や部署長を引き受けられるようにする計画だ。 社長から社員に至るまでの垂直的な組織文化を変え、上級者のためではなく部署と会社のために仕事をする文化を作るということだ。

 韓国国内の代表的企業のこうした動きは、人工知能(AI)やバーチャルリアリティ(VR)などの新技術が続々と登場する状況にいち早く対処するためだ。 だが、40~50代の会社員は不安感を隠せない。 特にサムスン電子が昨年から部署長面談、部署転換などで中壮年層の社員を構造調整している状況で、退社圧迫がさらに深刻になるのではないかという。 サムスン電子のある50代の次長は「すでに退社圧迫があるのに、呼称統一をはじめ新しい人事体制が作られれば、中壮年層が仕事をすることが一層難しくなりそうだ」と見通した。 LG電子のある40代の部長も「過去の成功方程式になじんでいる幹部の思考を変える必要はあるが、変えることは容易でない。 結局、人事改編は若年層の昇進と先輩世代の退社に帰結されざるをえない」と展望した。

 実際、呼称統一など水平的組織文化を導入しようとしていたKTでは、これを悪用して退社推奨カードとして使われたという話もある。 40代後半のある次長は「当時、呼称だけでなく業務も水平的にするとして強制した。 結局、一部の次長や部長もマンホールの中で光ケーブル作業をさせられるケースもあったが、これに耐えられずに退社した人もいる」と話した。

 さらに雇用労働部が今年1月「公正人事指針」という名目で低成果者解雇を以前より容易にして不安を高めている。 匿名を希望したある証券会社のアナリストは「サムスン電子、SDI、電気、物産などが構造調整を進めている。 (6月に)発表される内容を見なければならないが、水平的組織文化という名目で導入される新人事システムが中壮年層の自主退社構造を作ったり、低成果者の比重を増やして解雇する可能性がある」と話した。

 反面、このような憂慮は杞憂に過ぎないという反論もある。 すでに「マネージャー」という呼称を使っているSKのある役員は「垂直的組織文化であっても名誉退職を通じて構造調整が可能な状況なのに、水平的組織文化に変われば退社圧迫がさらに強まるとは見難い」と話した。

イ・ジョンフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/737207.html 韓国語原文入力:2016-03-28 19:45
訳J.S(1566字)

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