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経営難のアシアナ航空で大規模な構造調整

登録:2015-12-28 08:43 修正:2015-12-28 11:41
アシアナ航空が経営難を理由に支店の統廃合、赤字路線廃止、希望退職など大規模な構造調整に着手する。27日早朝、仁川国際空港アシアナ航空貨物ターミナルからベルギーに発つ貨物機に先端電子装備などの輸出品を積み込まれている=仁川空港/ニューシス

MERS事態の打撃に低価格航空の躍進
為替損とグループ次元の借金も負担
支店統廃合・希望退職をすぐに実行
社員に広がる不安…労使交渉難航か

 MERS(中東呼吸器症候群)事態で6月から非常経営を続けてきたアシアナ航空が、大規模な構造調整に着手する。構造調整の方法として、支店統廃合、赤字路線廃止、「希望退職」などが含まれ、社員の間で雇用の不安が広がっている。アシアナ航空が「腰のベルトきつく締める」ことにしたのは、なにより事業環境悪化のためだが、経営陣の無理な買収合併にともなう後遺症も影響した。このため構造調整を巡って労使交渉の難航が予想される。

 アシアナ航空は24日、全役員と組織長140人余りを対象に経営正常化説明会を開き、構造調整方案の推進を通知したことが27日確認された。組織長は、部長や次長級のチーム長に該当する。アシアナ航空は説明会で、統廃合にともなう支店36カ所の閉鎖、予約・発券部署と国内空港サービスのアウトソーシング、客室乗務員の運営変化、役員賃金削減と車両返却、希望退職、必要な場合の休職の施行などを構造調整方案として検討していると公開した。

 会社側は「進んで危機に備え未来を守ろうという差し迫った意識で構成された『経営合理化タスクフォースチーム』の提案により進行中の自救努力」であると説明した。今年の第2・3四半期(4~6月、7~9月)に相次ぎ数百億ウォン規模の単期純損失を出し、直ちに構造調整を推進することにしたという。会社側は30日頃に最終的な構造調整法案を確定する予定だが、説明会で発表した方案の大部分が実際に推進されるものと見られる。

昨年に比べたアシアナ航空の経営実績//ハンギョレ新聞社

 社員の間では構造調整の方針に対する不安感が広がっている。ある社員は「会社が勧告辞職を始めるという噂が広がったけど、会社側がとりあえず否定したので一安心した。とはいえこれからどうなるか心配だ」と話す。

 アシアナ航空の経営難には、低価格航空会社との厳しい価格競争が続く短距離路線が50%を超える構造的な問題と、ドル高による為替差損が大きく作用している。MERS事態の打撃はどの社も同じだったが、中国など短距離路線の比重が大きいため影響はより深刻だ。実際、今年の第1~第3四半期の経営実績では、低燃料費が功を奏し営業利益は悪くなかった。昨年に比べ売り上げは1.6%減ったが、営業利益は昨年の666億ウォン(約70億円)から今年は849億ウォン(約90億円)に27.5%も増えたほどだ。

 だが、ドル高の影響による航空機リース料などの為替差損が大きく響いた。結局、今年の第1~3四半期は880億ウォン(約92億円)の純損失を出した。昨年同期の損失額449億ウォンの倍に達する。アシアナ航空は最近、航空機機種変更の需要が多かったため、今後の為替差損の負担はさらに大きくなるしかない状況にある。航空業界関係者は「アシアナ航空は低価格航空会社との競争が激しくなって慢性的に販売単価が低くなり、総費用が増え座席当たりの収益率が落ちている。赤字が構造化する状況」と指摘した。

 大宇建設の無理な買収がもたらした2009年の錦湖(クムホ)アシアナグループ全体の流動性危機当時に生じた借金も、今も困難な状況にある。アシアナ航空は2009年末のグループ流動性危機当時、債権団と一種の構造調整手続きである自律協約を結び、昨年12月に終結したと公示したが、今も債権団に5千億ウォン以上の借金をしている。今年の第3四半期の負債比率(別途基準)は997.4%に達する。

 こうした事情からアシアナ航空内部では、パク・サムグ錦湖アシアナグループ会長の錦湖産業買収にも否定的な意見が多く出される。パク会長が29日、錦湖産業債権団に支給する経営権の持ち株買収額7228億ウォン(約758億円)のうち約5700億ウォン(約598億円)は借金で用意した。来年から直ちに金融費用と投資家収益にどう対応するのか憂慮されている。

ユン・ヨンミ先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-12-27 20:49

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/723660.html 訳Y.B

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