本文に移動
全体  > 経済

韓国の中型造船業を制した“円安日本”の攻勢

登録:2016-01-28 00:03 修正:2016-01-28 08:11

昨年受注量、60%下落
SPP造船は一隻も受注できず
韓国造船業全体に占める比率は一桁に

価格競争力確保した日本企業
世界市場占有率を27%に高める
「内実ある受注戦略で対応すべき」

 造船業の景気低迷で困難に陥った韓国の中型造船企業が、円安を武器とした日本との低価格受注競争が熾烈になり、昨年受注実績が大幅に下がったことが明らかになった。 韓国の中型造船業の昨年受注量は64万6000CGT(標準貨物船換算トン)で、前年に比べて59.8%も減った。 造船不況が長期化し中型造船業は売却(SPP造船)、債権団共同管理(城東造船海洋)等を通してかろうじて持ちこたえている状況だが、こうした時こそ低価格受注より内実ある受注のための努力を傾けなければならないと指摘されている。

韓国中型造船所の受注額推移(資料:輸出入銀行)//ハンギョレ新聞社

 韓国輸出入銀行海外経済研究所が26日に発表した「中型造船所2015年度第4四半期動向」によれば、昨年全世界の船舶発注量は3377万CGT、発注額は690億3000万ドルで前年比それぞれ24.1%、38.9%減少した。 特にバルク船、中型タンカー、中型コンテナ船など中型造船所が主に作る3大中型船種の発注量は隻数基準で45.5%も減った。

 世界的に新しい船舶を作ろうとする動きが弱まり、昨年韓国の中型造船所の受注も2014年と比べて大幅に減少した。 昨年の受注量は64万6000CGTで前年比59.8%減り、受注額は13億1000万ドルで58.5%減少したと推定される。 現在企業売却が進行中のSPP造船は昨年合計8隻の受注交渉を終えたが、前受金の払戻保証(RG)の発行が拒否されたため、一隻も受注をできなかった。 城東造船海洋は昨年9月、サムスン重工業と経営協力関係を結び営業など各種の支援を受けている。

 金融機関の管理を受ける中型造船所が生存戦略を立てるために受注が停滞した間に、韓国の造船受注額全体に占める中型造船所の受注額割合も下がっている。 2007年には26.7%だった中型造船所の比重は、2014年に10.1%まで大幅下落し昨年には6%まで低下した。 一時、造船業の構造調整方案として大型造船企業と中型造船企業を合併させる案が出たのも、中型造船企業の受注実績が毎年縮小しているためと見られる。 海外経済研究所のヤン・ジョンソ専任研究員は「昨年韓国の中型造船企業の受注実績は、市場の状況を考慮しても非常に悪い水準と評価される」として「世界的な中型船舶市場の発注減少率より、韓国の中型造船企業の受注減少率が高かったのは、韓国の中型造船産業の市場占有率が侵食されているという意味」と話した。

 昨年の韓国中型造船企業の実績不振は、日本との低価格受注競争激化による部分が大きい。 英国の造船海運分析機関であるクラークソンリサーチによれば、全世界の船舶受注量に日本が占める割合は2010年の12.5%から2015年には27.1%に2倍以上増えるなど、円安を武器とした日本は次第に市場占有率を高めている。 技術力と信頼性が高い日本が、韓国や中国より劣っていた価格競争力まで備えたことで、韓国の中型造船企業と日本企業との受注競争は一層激しくなるものと見られる。

 ヤン主席研究員は「中型船舶市況は2017年まで難しい状況が続くと展望される」として「しかし円安効果がいつまで続くか不透明であるだけに日本との低価格受注競争は弱まると見られ、中型造船企業は内実のある物量を中心に着実な受注をしなければならない」と助言した。 産業研究院のホン・ソンイン研究委員も「中国や日本が追撃してきているが、韓国の中型造船企業が作る汎用船舶も競争力がある」として「中型造船をあきらめるのではなく雇用や経済的な効果を考慮して生かすための努力が必要だ」と強調した。

キム・ミヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/728179.html 韓国語原文入力:2016-01-27 20:49
訳J.S(1732字)

関連記事