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原油価格下落・円安・世界貿易の鈍化で韓国の輸出後退

登録:2015-07-02 00:00 修正:2015-07-02 06:29
 輸入がさらに減って貿易黒字は史上最高
 下半期には自動車など一部で改善予想
 ギリシャなど対外変数で楽観は困難
 中国の内需中心転換も下振れ要因

 数十年間にわたり輸出は韓国経済の“成長エンジン”と評価されてきた。 1997年の外国為替危機直後、米国発の世界金融危機の影響を受けた2009年に大幅減少を経験しただけで、2011年までは好調傾向を続けてきた。しかし、その後は力が弱まった。 2013年2.1%、2014年2.3%の増加に終わった輸出が、今年は上半期に前年同期比5%急減して、輸出活力が衰えて行くのではないかという憂慮が高まっている。

2015年上半期 主要地域別輸出増減率 //ハンギョレ新聞社

 今年の輸出減少は、ひとまずは国際原油価格下落の影響が大きいというのが大方の分析だ。 ドバイ油基準で原油価格は昨年上半期のバレル当たり105ドルから今年上半期には56ドルへ46.5%程度価格が下がった。 その結果、自然に石油製品と石油化学の輸出単価は下落することになる。 原油価格の下落は全世界的に及ぶ影響であるだけに、物量を増やすことも思うようにいかなかった。 石油製品・石油化学が韓国の輸出に占める比重は17.3%に達するが、石油製品の輸出額は36.1%、石油化学の輸出額は18.8%減った。原材料である原油価格が大幅に下落したために輸入額の減少幅はさらに大きかった。今年前半期の輸入額は2223億ドルで15.6%減少し、全体的な貿易収支は467億ドルの黒字であった。 半期別貿易収支記録としては史上最大の黒字だ。

 輸出の減少には為替レートの影響も大きかった。日本円、ユーロ貨の劣勢は、特に主要品目である自動車の価格競争力を低下させた。 自動車輸出はロシアや独立国家共同体(CIS)、中東などの主力市場で競争力下落のために1月~5月連続でマイナス成長となったが、6月の新車輸出の影響でプラス(6.5%)に転換した。

先月30日、中国の南京で開かれた第1回韓中FTA貿易促進団輸出相談会で中国バイヤーらと韓国業者関係者たちが相談をしている=韓国貿易協会提供//ハンギョレ新聞社

 全般的な世界交易の鈍化も輸出減少につながった。 世界貿易機構(WTO)は今年1~4月の世界70カ国輸入市場規模が13.4%小さくなったと明らかにした。 同じ期間の各国の輸出を見れば、フランスが14%、日本が6.3%、アメリカが4.6%減少した。結果的に原油価格下落、日本円・ユーロ安、世界交易鈍化の対外3要素が全て悪材料として重なり、上半期の輸出と輸入が共に振るわなかったというのが産業通商資源部の説明だ。

 原油価格の下落傾向が最近緩和されて、新車および新規スマートフォン発売により自動車と無線通信機器の輸出が多少増加し、6月の輸出額は回復傾向を見せた。 しかし、それまで好調を維持してきた半導体と繊維製品の輸出額が単価下落などの影響で減少し、6月の輸出全体額は依然として昨年同月比でマイナス(-1.8%)であった。 下半期には自動車など一部の品目で輸出条件が改善されると予想されるが、最近のギリシャ発対外威嚇要素などがあり楽観することはできない状況だ。 世界貿易機構は2015年の世界経済成長率展望値を3.4%から2.8%に引き下げた。 韓国の国策研究所である産業研究院は、今年の輸出が昨年より3.1%減少するだろうと先月展望した。

 ここに中国の成長戦略の変化は、対中依存度が高い韓国経済に長期的リスクとなる。 今年前半期の中国向け輸出は2.5%減少した。 中国は今年上半期に韓国の輸出比重が25.5%に達する最大の貿易国だ。 中国は最近輸出中心から内需中心に経済戦略を切り替えている。 技術開発により自給率も高めている。 中国の自給率拡大、および需要減少は韓国の平面ディスプレイ輸出減少(-10.8%)と繊維類輸出減少(-10.8%)の主要因になっている。 一般機械輸出の場合、米国の景気回復傾向などにより今年上半期は0.8%増加したが、中国輸出は建設機械の中国需要停滞などで逆に減った。

ソン・ギョンファ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/698479.html 韓国語原文入力:2015-07-01 21:53
訳J.S(1823字)

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