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サムスンとソニーは「得意分野に集中」、LGとパナソニックは「新市場開拓」

登録:2015-11-17 23:32 修正:2015-11-18 06:34

筆頭半導体企業として力を集中するサムスン
テレビの代わりにイメージセンサー選んだソニー

電気自動車部品を成長の軸と見なすLG
バッテリーに方向転換したパナソニック

「得意分野への集中」VS「新市場の開拓」
韓日代表電子企業に見る“類似”特性

 実績不振の中で活路をどう見出すか、サムスン電子とLG電子の悩みは深い。 両社の姿は数年前に日本の代表的電子企業のソニーとパナソニックが経験した沈滞の軌跡と重なる。 今はソニーとパナソニックは円安をベースに反撃を始めている。 日本の二つの企業は反撃の機会を完全に別の戦略を通じて用意したが、最近のサムスン電子とLG電子の姿は日本の企業の戦略と奇妙な類似性があり目を引く。

 サムスン電子は最近、スマートフォンに使われる核心半導体である「Exynos 8 Octa(8890)」を公開した。 これはモバイル アプリケーションプロセッサ(AP)とモデムが一つにまとめられた「ワンチップ」で、面積を消費せず効率的だ。 サムスン電子は最近、半導体部門の実績によりスマートフォンの不振を挽回してきた。 営業利益に占める半導体部門の比重は今年3分期に49.3%まで高まったが、2016~2017年頃には55~65%に達するだろうというのが企業アナリストらの展望だ。 体温や心電図のような生体信号を読むバイオプロセッサ、メモリー半導体のDRAMとNANDフラッシュを統合したepop製品などが次期走者として期待を担っている。 だが、サムスン電子はデジタルカメラ事業から撤収し、LED事業部を縮小するなど、収益性の低い細かい事業は整理している。いわゆる“選択と集中”の戦略が明確なわけだ。

韓日の代表的電子企業の企業売上高推移 //ハンギョレ新聞社

 これはソニーが一時花形だったテレビ事業部で成長の限界が明確になると分社して、競争力の優位が明確だったイメージ センサーとビデオゲーム(プレイステーション)に注力した姿と似ている。ソニーはイメージ センサー分野で市場占有率を昨年40%まで引き上げたし、最近は東芝から同一事業分野を買収すると発表した。 このような選択と集中の戦略でソニーは今年上半期(会計年度基準4~9月)に純利益1159億円を計上し、5年ぶりに上半期黒字を出して本格的な反騰を予告した。

 LG電子は主力だったテレビと携帯電話分野が沈滞から抜け出せないと判断し、新市場を探して事業の中心軸を移す姿が明確だ。今年9月には最高技術責任者(CTO)部門に自動車部品技術センターを新たに作るなど、自動車部品分野に企業の力量を素早く移動させている。 その甲斐あってGMに電気自動車「シボレー・ボルトEV」の部品供給契約を締結するなど、2013年VC事業本部をスタートして以来初の大きな成果を上げた。 LGグループとLG電子の話を総合すれば、電気自動車関連受注残額は10兆ウォン(約1兆円)を軽く超えたという。 最近、現代自動車など既存の自動車メーカーが電気自動車市場を急速に拡大していることも、LG電子が“力量移動”戦略を加速化する背景だ。

 これはパナソニックが新たな成長動力に人材や組織の力量を果敢に投じた軌跡と似ている。 パナソニックは主力だったテレビやスマートフォンなどの競争力が定化すると、すぐにこれを整理して電気自動車用バッテリーなど企業対企業(B2B)分野へ重心を移した。 冷蔵庫などを作っていた中国工場でも企業用防犯カメラやLEDなどに生産ラインを再整備しているほどだ。

 LG経済研究院のイ・チビョン研究員は「サムスン電子とLG電子の最近の事業戦略は、一方は得意分野に集中し、他方は新市場の開拓を図り、明確に交錯している」として、「得意分野に集中する戦略は他企業が容易に追随しかねる競争力が問われ、新市場開拓戦略は市場適合性と顧客満足度を綿密に確かめる必要がある」と話した。

イ・ジョンフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/717883.html 韓国語原文入力:2015-11-17 20:28
訳J.S(1781字)

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