韓国経済をリードしてきた石油化学、電子、鉄鋼など主力産業の世界市場シェアは下落し続けている。中国をはじめとする新興国の激しい追撃を受けているからだ。産業研究院が最近発表した資料によると、石油化学分野では2010年にはエチレン生産能力ベースで世界市場シェアが5.5%だったが、昨年は5%に下落した。 2012年の売上高ベースのシェアが49.1%に達したディスプレイは、2年間で38.9%まで落ちた。デジタルテレビは、2012年の市場シェア(生産量ベース)が42.7%だったが、昨年37.7%に縮小。携帯電話も同じ期間の市場シェアが29.6%から26.8%に減った。
キム・ヨングィ対外経済政策研究院(KIEP)地域貿易協定チーム長は 「主要輸出品目のうち、石油製品、船舶、フラットパネルディスプレイ、鉄鋼などは、輸出の鈍化に加え、世界市場でのシェアも下落する傾向にある」とし「これまで政策的な集中投資を通じて育成できた品目のうち、石油化学や中低価格の船舶は、技術が標準化されて、今はどの国でも投資さえすれば、すぐに業界を立ち上げることができる」と診断した。
中国の躍進により、競争力が弱まった代表的な産業は鉄鋼業だ。NH投資証券の資料によると、中国の鋼材輸出は、2015年の第1四半期(1~3月)だけで前年に比べ40.7%も急増した。自動車用鋼板の開発への投資も拡大し、技術力の格差を急速に縮めている。「シャオミ」に代表される中国の第2世代携帯電話メーカーは、プレミアム仕様と安い価格を掲げ、急速に成長している。昨年シャオミはサムスン電子を追い抜き世界最大の市場である中国での販売台数1位となった。
韓国造船業は、中国に比べエンジニアリングの中核的な基本設計技術が進んでいると評価される。しかし、高付加価値技術を確保できていない状態だ。ヤン・ジョンソ韓国輸出入銀行海外経済研究所主任研究員は、「ドリルシップ(海上で原油を生産する特殊船)をはじめとするすべての船舶の基本設計技術は完璧だが、海洋プラント分野では技術が不足してノルウェーや米国のエンジニアリング会社に依存している状況」だと診断した。自動車分野でも後発国の中国に追われている。またトヨタなど競合他社が円安に支えられて価格競争力を回復し、現代起亜自動車は、「安くて優秀」を強みとして掲げるのが難しくなった。製品多様化と技術革新なしにはこれ以上の成長は不可能という意味だ。
韓国語原文入力:2015-07-09 20:04