登録 : 2015.12.08 23:02 修正 : 2015.12.09 14:38

『なぜ怒るべきか』を出したチャン・ハソン教授 
「韓国の若者たちよ、怒れ。そして不公平な世の中を変えろ」

チャン・ハソン高麗大経営学科教授が8日、ハンギョレとのインタビューで自身の著書『なぜ怒るべきか』について説明している =キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 チャン・ハソン高麗大教授は8日、ソウル安岩洞の高麗大でハンギョレとのインタビューに応じ、「財閥大企業が不公平な国を作り、両親である既成世代はこれを放置した。今の不公平な韓国をより平等な社会に変えられる方案は多いが、問題は誰がそれを実践するかという“主体”にかかっている」として、このように強調した。

正社員・非正社員、大・中小企業間
所得不均衡に不平等が拡大している
進歩陣営も貧富の格差だけを強調


財閥大企業は不平等の原因を提供
学生たちの親である既成世代に放置した責任
若者が主体となって実践しなければ

 経済民主化市民運動の父ともされるチャン教授とのインタビューは、韓国のイシューである不平等の原因と解決法を明らかにした『なぜ怒るべきか』の出版を契機に行われた。同書はチャン教授が昨年9月、韓国経済診断と解決法を込めて出した『韓国資本主義』の続編にあたる。 チャン教授は「韓国が当面の不平等問題を解決しなければ、成長と仕事の創出がともに不可能で青年世代に希望を与えることはできない」として「不平等の核心は正社員と非正社員、大企業と中小企業間の賃金格差だが、これまでの議論は貧富の格差だけを強調し、不要な「金持ちに対する憎悪」だけを煽っている」と指摘した。さらに「不平等を解決するには賃金格差解消のための基本的分配改善が重要だが、進歩陣営も再分配(社会福祉)に焦点を合わせる過ちを犯している」と批判した。

-本の主題が“不平等”である理由は?

 「産業化過程が本格的に始まった1960年代から1990年代中盤まで、所得分配の公平性が好転した。 そうするうちに1997年の外国為替危機以後に不平等が悪化すると、今や世界で最も不公平な国になった。 今は不平等が成長を阻害している。 さらに大きな問題は韓国の不公平な状況が青年世代から未来の希望を奪っているということだ。 昨年末、千人余りの若者たちを相手に講演した。 「申し訳ないが君たちには希望がない。 率直に言って絶望的だ」と話した。 一部の若者たちが泣いたという話も伝え聞いた。 若者たちが現状況を克服しようとしても、不平等構造がよく分からなくて苦しんでいるようだった」

-経済協力開発機構(OECD)統計によれば、韓国の不平等水準はそれほどではないとされるが?

 「それが陥穽だ。OECDが発表しているジニ係数(不平等指標)は、韓国政府が提供した家計所得資料を基礎にしている。 だが、これは高所得世帯と相対的に所得が低い1人世帯を含んでおらず、不平等があまり激しくかのように歪曲されている。 広範囲な労働者を対象に調査する賃金所得基準のジニ係数で見るべきだ」

-ピケティの『21世紀の資本論』が昨年韓国で出版された時にも論議になった。

 「ピケティは先進国の不平等がどのように悪化してきたかを分析した。 韓国は資本主義の発展経路と歴史、資本蓄積の水準が先進国と余りにも違うので彼の分析と代案は韓国の現実には距離がある」

チャン・ハソン教授が考える韓国社会における不平等構造の原因//ハンギョレ新聞社
-韓国国内の不平等議論で誤った点は?

 「経済的不平等は“持っているもの”の差(財産不平等)と“稼ぎ”の差(所得不平等)に区分される。 これまでの不平等議論はこの差を見逃している。 韓国で国民が苦痛を味わっているのは財産不平等よりは所得不平等のためだ。 そして所得不平等の根本原因は賃金格差だ。 すべての階層で勤労所得が所得全体の90%以上を占めている。 外国では資産階層が存在するが、韓国では最上位の1~2%だけが資産階層だ。 これら上位1%のものを奪い取ってみても99%の助けにはならない」

-賃金格差が所得不平等を作る原因ならば、賃金格差はなぜ生じたのか?

 「雇用不平等と企業間の不均衡だ。 正社員と非正社員に二分化された雇用不平等と大企業と中小企業、元請け企業と下請け企業間の不均衡によって作られたのだ。 非正社員の賃金は正社員の半分にも至らない。 2次下請け企業の賃金は元請け企業である超大企業の賃金の3分の1で、3次下請け企業は4分の1水準だ。 このような不平等構造を作った張本人は財閥大企業だ」

-不平等の原因が財産格差ではなく所得格差なら、その解決方法も既存の議論とは変わってくるはずだが?

 「韓国ではまだ基礎的な福祉制度すらまともに運用されていないので、国内総生産(GDP)対比福祉予算の比重がOECD加盟国家のうちで最も低い。 福祉を通した再分配は現在よりさらに拡大しなければならない。 しかし、極度に不公平な基本的分配をそのままにして、事後的に矯正する再分配だけでは不平等を緩和する効果は非常に制限的にならざるをえない」

-進歩(革新)陣営もこれまで再分配を強調していなかったのか?

 「進歩も永らく間違っていた。賃金格差が問題なのに、貧富格差だけを強調し、無条件に持てる人々の悪口ばかり言ってきた。 盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の時、総合不動産税を施行したが成功したか? 江南(カンナム)の家を売って京畿道に引っ越せということは解決策ではない。 不平等の主原因が賃金格差なのに、労働界の一部の既得権集団(大企業正社員労組)も低賃金と雇用不安定という不利益を受けている非正社員と中小企業の労働者を無視している」

-若い世代に不公平な韓国を変えろと強調した理由は?

 「財閥大企業は韓国社会の不平等を作った原因提供者だ。それを放置した責任は青年世代の両親である既成世代にある。 財閥大企業と既成世代に世の中を変えることを期待できないならば、青年世代が立ち上がらなければならない」

-現実的には青年たちの怒りはあまり感じられない。

 「それで本の題名を『なぜ怒るべきか』にした」

-若者たちを扇動していると見る向きもあるようだ。

 「扇動しているのは事実だ。針の穴に入れる人はごく少数に過ぎない。 その中に入ろうと地団駄を踏むのではなく、針の穴を広げたり打ち破ったりしなければならない」

クァク・ジョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-12-08 20:11
http://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/720931.html 訳J.S(2751字)

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