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福田民郎サムスン元顧問 「新経営は忘れろ」

登録:2015-06-12 01:05 修正:2015-06-12 06:18
 「福田レポート」で新経営の起爆剤に
 「成功は忘れて真剣に未来を模索すべき」
福田民郎・元サムスン電子デザイン顧問(現日本京都工芸繊維大学名誉教授)//ハンギョレ新聞社

 「新経営は忘れろ」

 福田民郎・元サムスン電子デザイン顧問(現日本京都工芸繊維大学名誉教授)は、サムスン社内広報誌の『メディア・サムスン』とのインタビューで、過去の成功にこだわらないことを訴えた。彼は1989年にサムスン電子情報通信部門のデザイン顧問として迎えられた後、イ・ゴンヒ会長の1993年「新経営宣言」の起爆剤となった「福田レポート」を書いた。

 福田元顧問は、「イ会長が私のレポートを読んで『こんなことがあったのか』と激怒したという話を聞いた」とし「フランクフルトに到着してすぐ、国内の役員たちを呼んで、そこで大規模の会議を開いたそうだ」と伝えた。イ会長が「妻と子を除きすべてを変えろ」という言葉で代弁される新経営宣言を行ったのだ。

 彼は「(新経営宣言)以降10年間はすごかった」とし「1993年から2003年までの10年間の売上高が約30倍に増えた」と評価した。また、イ会長との面談を紹介しながら、「『サムスンの哲学をデザインに込めてほしい』という話を聞いてすごいと思った」とし「専門は経営だが、工学や歴史、芸術などの幅広い興味を持っているな、個人的に深く勉強しているんだなと思った」と明らかにした。

 大成功にもかかわらず、福田元顧問は、「今のサムスンは先駆者として新たな道を開拓しなければならない、非常に厳しい環境に置かれている」とし「それをきちんと上手く進められるかどうかが、今後10〜20年を左右する」と述べた。彼は「今は1993年の話は忘れてほしい。新経営を通じて達成したこれまでの成功事例や記憶は忘れて、リセットしなければならない。今では、未来に何をどうすればいいのか、サムスン全体が本気で模索していかなければならない時期だ」と話した。また、「自分で開拓しなければならないということと、グローバル企業になったことで、1993年よりももっと慎重に考えなければならない。これから何をすればいいのかを真剣に考えなければ、サムスンの未来はないと思う」と付け加えた。

 最後に、イ会長に会ったら、どのような話をしたいかという質問に「今どんな準備をしたらいいのか、また未来に備えてどのような勉強をすればいいのかを、逆に訊きたい」とし「いつも未来の話ばかりしていた」と述べた。

イ・ジョンフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-06-11 20:12

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/695608.html  訳H.J

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