朴槿恵(パク・クネ)大統領が「第2の中東ブームを起こそう」と中東で歴訪セールス外交を進めている。1970年代後半から始まる中東建設ブームが停滞した後の海外建設は、2000年代後半から爆発的な増加傾向に戻った。海外建設受注額は1990年の68億ドルから2013年の652億ドルに10倍近く急増し、名目国内総生産(GDP)と比べた海外建設受注額も同期間に2.4%から5%に増えた。しかし突然訪れた原油価格下落と国内業者の低価格受注競争により、中東プラント(精油施設など産業設備)建設は最近になって受注規模・収益性ともに苦戦を強いられている。
3日、海外建設協会などによると、原油価格下落の衝撃で主な建設業者の中東地域受注契約額が急落している。国際石油価格がバレル当たり93ドルから50ドル台に下がった昨年10月から今年2月までの中東地域受注契約額は合計75億ドルになり、去年の同期間(210億ドル)に比べ64.3%も減った。今年に入り2月末までは受注額が23億ドルで去年同期間(129億ドル)に比べ81.7%も急減した。原油価格下落の嵐でサウジアラビアやクウェートなど中東産油国が莫大な財政的打撃を受けてプラント発注が止まったり、撤回もしくは遅れているためだ。1982年に経験した原油価格下落にともなう中東受注急減が再現されている。
海外建設協会関係者は「2011年以後、国内業者による中東プラント建設過剰競争が広がり収益性が悪いプロジェクトが増えたが、今年はそのほとんどが完工し問題が解消されようとしていた」としたうで、「突然の原油価格下落で各業者が苦しい状況に追い込まれている」と話した。工事を完成させても金額をまともに受けられない状況になっているのだ。海外建設プラントは走り続けることで倒れない自転車のように、一定の受注規模を維持しなければならないが、原油価格下落により受注したプロジェクト問題が解消される前に、原油下落にもかかわらず再び受注しなければならないジレンマに陥っている。そのうえ、スペインやイタリアなどヨーロッパの建設業者がユーロゾーンの大規模量的緩和にともなうユーロ価値下落を踏み台にして中東受注に攻撃的になり、競争がさらに激しくなっている。
収益性も大きく悪化した。国内の主要な6建設業者の海外建設部門の当期総純利益は、2011年に2兆4000億ウォン(約2600億円)で売上額比純利益率は4.6%だった。しかし原油価格の下落が本格化した昨年10月以後は利益率が0%台まで落ち込んだと推定される。海外建設協会関係者は「中東精油プラント建設の場合、過去良かった時期は実行原価(工事遂行完了にかかる費用)に間接経費まで含んでも発注金額の93%程度で利益率が7%ほどになった。しかし2011年頃から受注し完工時期を今迎えたプロジェクトは、収益率が0%台あるいはマイナス状態で薄氷を踏む状態」と語る。
中東は伝統的な受注畑だが、地域偏重を指摘する声もある。2009年に海外建設受注額で中東比重は72.7%に達した。当時進んだ国内業者間の低価格受注過剰競争が、2013年の海外建設大規模損失(6業者で総-1兆4000億ウォン=約-1500億円)の一つの要因と指定される。現代経済研究院チャン・ウソク研究委員は「中東プラントの比重が不均衡に高いが、これは原油価格下落など市場の不確実性に脆弱にならざるをえず、業者間過剰競争も招いている」と指摘した。
韓国語原文入力:2015.03.03 20:14