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韓国経済に定着する「分配なき低成長」

登録:2015-02-13 22:14 修正:2015-02-14 07:28
経済成長率>家計所得増加率>消費支出増加率

昨年韓国の家計実質所得増加率は2.1%
実質成長率3.3%より1%p低く
平均消費性向も72.9%で歴代最低
基礎年金の影響により所得不平等は緩和

 昨年も実質家計所得増加率が経済成長率を下回る「分配なき低成長」が続いた。所得増加が亀の歩みを続け、家計は支出を減らすことで対応し、消費性向(可処分所得に消費支出が占める割合)は史上最低値を記録した。このような経済構造が固定化されないように、経済成長→家計所得増加→消費拡大→経済成長へとつながる好循環構築のための政策的努力が必要だという指摘が出ている。

家計所得および支出増加率と経済成長率の推移。実質基準ならびに家計所得と支出は全国の2人以上の世帯を基準とした。濃い線から順に、所得増加率、実質成長率、消費支出増加率を示す。(単位%、資料:資料韓国銀行、統計庁)//ハンギョレ新聞社

 統計庁が13日に発表した「家計動向」調査結果によると、昨年2人以上の世帯基準の月平均所得は430万2000ウォン(約47万円)で、前年比で3.4%増加したことが分かった。物価上昇率を反映した実質所得基準では2.1%増えた。実質所得増加率が0%台に留まった2013年に比べれば家計の所得状況が良くなったわけだが、依然として経済成長率を大幅に下回る水準だ。 昨年の実質成長率(暫定)は3.3%で、家計所得増加率はこれより1%以上低い。 経済規模が大きくなる速度に比べて家計の所得増加がついて行けずにいるという意味だ。 これは企業で発生した富が家計にきちんと分配されずにいる現実を反映している。 企業、家計、政府など経済主体間の所得分配状況は、韓国銀行が近い将来発表する「2014年制度部門別所得アカウント」結果によりさらに正確に確認される。

 消費支出増加率は所得増加率を大幅に下回った。昨年の月平均世帯当り消費支出は255万1000ウォン(約28万円)で前年比2.8%増に終わった。実質消費支出増加率は1.5%だった。 家計消費が所得に見合って増加せず、月平均家計黒字額と黒字率は2003年に関連統計が集計された以後の最高値である94万6800ウォンで27.1%を記録した。家計がそれだけ財布のヒモをきつくしめているという意味だ。 これに伴い、平均消費性向も前年対比で0.4%下がり、歴代最低値である72.9%を記録した。

 ただし、家計部門内の所得分配は多少改善された。所得下位20%に属する1分位所得増加率は5.6%で、平均(3.4%)はもちろん、他の全ての分位に比べても最も高かった。 これにより所得下位20%と上位20%を比較した5分位倍率は、昨年4.45倍で2004年以来の最低水準を記録した。 ここには昨年7月から始まった基礎年金の影響が大きかったと見られる。 所得下位70%に属する65歳以上の老人に月額最高20万ウォン(約2万2000円)ずつを支給するこの制度は、老人貧困率が非常に高い韓国の特性上、低所得階層の平均所得を高める効果が大きいと予想されてきた。

 チュ・ファンウク企画財政部政策企画課長は「家計所得増進→消費活性化の好循環構造を一層強化する必要がある」として「特に賃金と生産性の間の連係を強化するために、業種別生産性指標を用意して、最低賃金の段階的引き上げなど民間の自発的賃金引き上げ条件の改善を図る」と明らかにした。

世宗/キム・ギョンナク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/02/13 21:03

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/678396.html
訳J.S(1432字)

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