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韓国経済に相次ぐ警告音…財政拡大や金利引き下げ効果出ず

登録:2015-01-16 01:04 修正:2015-01-16 06:50
昨年4分期 成長率 0.4%にとどまる
韓国銀行、今年の成長率 3.9→3.4%に
展望値 大幅引き下げ…金利は凍結

 政府の財政拡大努力と韓国銀行の二度にわたる基準金利引き下げにもかかわらず、昨年4分期の韓国経済成長率がセウォル号事故が起きた第2四半期より更に低い0.4%(前期対比)になると推算された。これに伴い、韓国銀行は今年の経済成長率展望値を既存の3.9%から3.4%に大幅に引き下げた。 消費者物価上昇率展望値も国際原油価格の急落を反映して2.4%から1.9%(たばこ値上げ分0.6%を含む)に下方調整した。

 景気低迷に対する憂慮が高まっているものの、韓銀は昨年4分期の成長鈍化を税収不足による政府支出の縮小と端末流通構造改善法施行にともなう消費の萎縮、輸出不振が重なった一時的現象と判断し、今年は景気回復傾向が昨年より強まると明らかにした。

 韓銀は15日に発表した「2015年経済展望」で、今年の経済成長率展望値を3.4%(上半期3.0%、下半期3.7%)と提示した。昨年10月に発表した展望値より0.5%も引き下げた数値だ。 これは最近出てきた政府や韓国国内の主要経済予測機関の経済成長率展望値の中でも最も低い水準だ。 企画財政部は先月出した経済展望で、今年の経済成長率を3.8%と提示しており、韓国開発研究院(KDI)も3.5%と展望した。 これに伴い、政府の経済成長率展望値が過度に楽観的なのではないかという論議が広がるものと見られる。 韓銀は経済成長率を構成する細部指標のうち、民間消費(2.6%成長)、輸出(3.4%)、輸入(3.4%)の増加率を従来展望よりそれぞれ0.9%、2.1%、2.3%ずつ下げて捉えた。

 その一方で、韓銀は今後の景気展望を否定的に見ているわけではないと強調した。 イ・ジュヨル韓銀総裁は「今年は分期別で前期対比1%程度成長しており、平均で0.7%成長した昨年よりは回復傾向が良くなるだろう」としつつ「2.0%である現行基準金利は景気回復動向を支援するに充分だ」と話した。

 それでも経済成長率展望値を下げた理由は、税収不足にともなう政府支出の縮小と端末流通構造改善法による携帯電話販売の不振という“例外的”要因で昨年4分期の成長率が予想値より大幅に下落したためだと説明した。 韓銀は昨年4分期の前期対比成長率が当初展望値の1.0%よりはるかに低い0.4%に終わったと推定した。 これはセウォル号事故で消費が急激に萎縮した昨年第2四半期(0.5%)より低い数値だ。 韓銀はこれに伴い昨年の年間経済成長率推定値も3.5%から3.3%に下げて捉えた。ヂン・ウン韓銀調査局長は「4分期の成長率が鈍化して出発地点が下がったので、同じ速度で走るにしても(同じ期間中に)到着地点はそれだけ遅れることになり、今年の展望値がその部分程度下方調整された」として「(景気回復動向を計る指標である)前期対比成長は10月展望と大差ない」と話した。 ただシン局長は「輸出の場合、中国政府が政策的に加工貿易を抑制しているため不振がたやすくは解消されないだろう」と話した。 成長率展望値下方調整の背景に一時的な要因だけでなく構造的な側面も一部あるという説明だ。

キム・スホン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/673866.html 韓国語原文入力:2015/01/15 22:40
訳J.S(1493字)

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