昨年約19兆ウォン…前年比10%の急増
基礎年金支出のうち医療費が最多
2020年に健保医療費の半分に達する見込み
急がれる高齢者健康管理統合システム
高齢者の診療費が急増している。全人口の12%を占める65歳以上の高齢者が昨年の全診療費の35%を占めた。高齢化が速いうえ高齢者が療養病院などを以前より積極的に利用するようになったためと考えられる。
健康保険審査評価院(審評院)が24日発表した2014年度診療費審査実績統計によると、昨年の健康保険診療費は54兆5275億ウォン(1円=9ウォン)で2013年より3兆8000億ウォン(7.5%)増えた。このうち65歳以上の高齢者診療費は19兆3551億ウォンで増加幅(10.4%)が最も大きかった。70歳以上の患者の1人当りの診療費は362万ウォンで平均の3倍を超えた。2010年に全診療費の31.6%だった高齢者診療費の比重は昨年35.5%まで跳ね上がった。
認知症と歯科関連疾患が高齢者診療費増加を主導した。昨年入院した高齢者患者のうち認知症患者の診療費増加率は前年比25%で最も高く、1人当りの診療費は1167万4000ウォンに達する。ユ・スヨン審評院主任研究員は「自宅で看病されていた認知症高齢者が最近は療養病院などに入院するようになり増加幅が大きくなった」と説明した。高齢者の外来患者のうち診療費増加率が最も高い病気は歯肉炎および歯周疾患(30.1%)。最近入れ歯、インプラント、歯石除去など一部歯科診療に健康保険が拡大適用され、虫歯や歯ぐき治療も同時に増えたのが背景にある。
医療費の急増は生活費の乏しい高齢者の生活を直撃する。昨年12月に保健福祉部が発表した基礎年金導入効果アンケート調査結果によれば、最大20万ウォンの基礎年金を受ける高齢受給者は食費(30.2%)や住居費(15.8%)より保健医療費(44.2%)に多く使った。ソウル鍾路(チョンノ)区に住むチェ・ヒョスク氏(74)は「基礎年金20万ウォンのうち15万ウォンを病院費で使う」と話した。
急増する老人診療費は健保財政に負担となっている。国会保健福祉委員会所属イ・モクヒ新政治民主連合議員が国民健康保険公団に提出させ公開した資料によると、2020年には高齢者診療費が全診療費の半分(45.6%)に肉迫する見込みだ。
専門家の間からは政府が率先して健保支出の効率を上げ、根本的には慢性疾患予防など高齢者健康管理体系を備える必要があると注文する。キム・ジンヒョン ソウル大学保健学部教授は「療養病院などに不必要に長く入院しないよう制度を改善し、高血圧や糖尿など慢性疾患は複製薬にも健保適用を拡大して高齢者の負担を減らさなければならない」と指摘した。ソ・ヨンジュン延世大教授(保健行政学)は「高齢者が最も適切な機関で診療を受けられるよう助ける統合管理体系が用意されるべきだ」とし「高齢者主治医制度を導入すれば普段から老人の健康管理と病気予防ができ、窮極的に診療費負担も減らすことができる」と話した。
ソン・ヨンレ福祉部保険給与課長は「最近の療養病院の急激な給与費増加傾向には非合理的な部分もあり診療報酬体系の改編作業に入った」と明らかにした。
韓国語原文入力:2015.02.24 21:30