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韓国経済の来年の成長率3.8%→3.5%に下方修正

登録:2014-12-11 08:58 修正:2014-12-12 01:25
韓国開発研究院(KDI)の報告に合わせ
企画財政部長官も「来年は下方リスク生じる」
来年の主要機関成長率の展望。//ハンギョレ新聞社

国策研究機関である韓国開発研究院(KDI)が来年の成長率展望値を従来より0.3%ポイント低い3.5%に下方修正し、「追加の下落可能性もある」と10日明らかにした。これに合わせるかのようにチェ・ギョンファン副総理兼企画財政部長官もこの日、「来年の経済の下方リスクが大きくなった」と話した。

 韓国開発研究院は10日に「2015年経済展望」を発表し来年成長率を3.5%と提示した。これは今年前半期に出した展望値より0.3%ポイント低い。研究院は成長率展望の下方調整の背景として、賃金上昇率鈍化にともなう民間消費不振と中国とヨーロッパ経済の回復遅延にともなう輸出増加率減少、企業の投資心理悪化などをあげた。こうした判断により成長率を構成する細部指標である民間消費、輸出(総輸出)、投資(総固定投資)増加率を従来の展望よりそれぞれ0.9%ポイント、0.8%ポイント、3.8%ポイントずつ低めた。

 3.5%の成長は難しいかもしれないという説明も付け加えた。チョ・ドンチョル首席エコノミストは「ユーロゾーンの沈滞長期化などで世界経済の成長率が下方調整され続け、国内的にも政府の拡張的マクロ経済政策がまともに推進されていない」として「小さくない下方リスクがあると判断する」と話した。また「世界経済の成長率が今年(3.3%)と似たレベルに留まるなら来年の韓国の成長率は3%序盤にまで下落することもある」と付け加えた。

 消費者物価上昇率も当初の展望(2.3%)より大幅に低い1.8%と提示された。研究院は「たばこ値上げ効果を除く物価上昇率は1%序盤に留まるだろう」と明らかにした。キム・ソンテ研究委員は「低い物価上昇の勢いが相当期間持続し、経済主体の期待インフレーションまで下落する可能性がある」として積極的な緩和的通貨政策(金利引き下げ)を注文した。キム研究委員は長期不況を体験している日本の例をあげ、「日本の場合、1990年代初期に物価上昇率が低くなり期待インフレーションが下落しているのに、日本銀行は消極的な政策対応を持続してデフレーション(物価と景気の同伴沈滞)を経験した」と指摘する。

KDI、2015年の主要項目別展望の変動。//ハンギョレ新聞社

 韓国開発研究院ばかりか他の主要な経済分析機関の来年の成長率展望値も下がり続ける傾向にある。政府は今年7月に来年の成長率を4.0%と展望し、10月中旬に韓国銀行は3.9%を提示した。だが、10月末に韓国金融研究院とサムスン証券はそろって3.7%成長を展望し、先月の新韓金融投資や韓国投資証券など主な証券会社の展望値は3.5~3.6%レベルまで低くなった。

 これに伴い、今月22日頃に発表される政府の“修正経済展望”に関心が強まっている。チェ・ギョンファン副総理兼企画財政部長官はこの日、ソウルの新羅ホテルで開かれた「YTN未来戦略フォーラム」で、「第2四半期のセウォル号事故後の深刻な不振から抜け出してはいるが、回復モメンタムは微弱だ。国内外の条件を見渡すと来年度成長率に下方リスクが生まれる状況」と話した。当初の展望値(4.0%)を下方調整する意思を示したものと分析される。企画財政部関係者は「最初の展望を出した7月以後、国内外の環境が良くなったと見ることはできない」とこうした解釈を否定しなかった。

世宗/キム・ギョンナク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014.12.10 22:25

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/668498.html 訳Y.B

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