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米日の相反する量的緩和策に挟まれ韓国経済のリスク高まる

登録:2014-11-02 22:59 修正:2014-11-03 10:57
米国が量的緩和を終了すると
日本は金融緩和で円安加速
韓国の輸出企業は競争力低下
外国資本流出憂慮のために
金利を下げることも上げることもできず
イ・ジュヨル韓国銀行総裁が10月15日、ソウル中区小公洞の韓国銀行本店で開かれた金融通貨委員会で議事棒を叩いている。この日、イ総裁は「最近の金融・経済状況と指標水準を検討し、基準金利を0.25%引き下げることを決めた」と明らかにした。 写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(Fed・連準)が量的緩和の終了を宣言した翌日の10月31日、日本銀行(BOJ)が電撃的に量的緩和の拡大を決定し、韓国経済の対外リスクが高まっている。 日本の金融緩和政策の強化は円安を加速化させ、最近中国経済の成長鈍化で困難をきたしている輸出に上乗せされる悪材料として作用しうる。 米国の量的緩和終了と来年に予想される政策金利の引き上げは、韓国金融市場からの外国人投資家の資金流出を呼び起こしうる危険要因だ。 景気回復動向が相変らず緩慢な状況で、中国・米国・日本などから相次ぎ押し寄せる対外変数により韓国経済の不確実性が一層深まっているわけだ。

 31日、日本の中央銀行が市場の予想に反して年間資産買い入れ規模を既存の60~70兆円から80兆円に増やす量的緩和拡大方針を発表すると、ニューヨーク外国為替市場で円ドル為替レートは取引中に一時112.48円まで急騰した。 2007年12月以来、6年10か月ぶりの高水準だ。 ドル高円安の流れの中で、韓国ウォンの価値も劣勢を見せたが、円安幅が更に大きかったためウォン円為替レートは951ウォンまで低下した。市場では韓国ウォン貨に比べて円安がさらに強まり、傾向的なウォン円為替レートの下落が続くと展望している。

 日本円の相対的な劣勢は、日本と輸出競争関係にある韓国企業の採算性を悪化させ、長引けば生産まで萎縮させかねない。 日本企業はアベノミクスで日本円が円安に反転した2013年4月以後も価格引き下げには消極的で、利益の確保に力を注いだが、追加的な円安で輸出単価の引き下げまで断行できる余力ができた。 キム・ヨンジュン国際金融センター研究委員は「最近国内の主要企業の実績悪化憂慮が浮上しているなかで、円安がもう一つの挑戦になるだろう」と話した。

 韓国の輸出は、円安がなくとも既に中国の成長鈍化の影響で非常灯が点いた状況だ。 中国の今年第3四半期の国内総生産(GDP)成長率は、金融危機以後で最も低い水準の7.3%(前年同期対比)に下がった。 金融研究院の資料によれば、中国の成長鈍化で今年に入って9月までの韓国の中国向け輸出は前年同期対比で0.7%減った。2001年から2013年まで中国向け輸出の増加率が年平均18.3%であった点を考慮すれば、中国向け輸出の鈍化が構造的に固着されたという憂慮が出てくる。

 日本の量的緩和は、ヨーロッパ中央銀行(ECB)の量的追加緩和を刺激し、世界的な通貨劣勢競争を再度触発する可能性もある。HSBCは12月頃にヨーロッパ中央銀行が追加で量的緩和を断行すると予想した。

 このような問題に対処するため、金融市場では韓国銀行が先月基準金利を年2%に引き下げたのに続き、追加で金利引き下げを断行する可能性があるという展望が出ている。 基準金利が引き下げられれば、韓国ウォン貨の価値が下がり、円安に対応できる余力が大きくなる側面がある。クォン・ヨンソン野村証券首席エコノミストは「韓銀が早い時期に基準金利を1.75%に引き下げる可能性がより一層高まった」と評価した。

 だが、問題は米国の通貨政策との足並みが乱れかねない点だ。米国は先月30日に量的緩和を終了し、来年中の金利引き上げ時期を伺っている。 これに伴い、米国と韓国の金利差が縮小し、韓国ウォン貨の価値が下がるため、外国人投資家の立場としては韓国金融市場から資金を引き出す誘因が高まっている。 このような状況で、韓銀が追加的に金利を引き下げれば、資金流出現象を煽る可能性が少なくない。 しかも低金利の深化により家計負債が増加し、住宅貸切保証金が急騰するという弊害もすでに深刻化している状況だ。

 これらのために経済・通貨政策に責任を負っている企画財政部と韓国銀行は、これと言った政策対応を取ることが難しい境遇に陥った。 企画財政部関係者は「現時点ではモニタリングを充実している他はない段階でないかと思う」として「現在の状況では、韓国も金利をさらに下げたり量的緩和をしたり、そうはできないではないか」と話した。 キム・ハクキュンKDB大宇証券投資戦略チーム長は「(米国と日本が反対に進んでいる状況で)韓国の通貨政策には限界が明確にある。 どちら側をまねるというより、韓国なりの基準を持ってステップを踏むことが重要だ」と話した。

キム・スホン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/662558.html 韓国語原文入力:2014/11/02 22:15
訳J.S(2200字)

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