経済協力開発機構(OECD)が経済成長の最大障害物として所得の不平等を名指しした。 安定的で持続的な経済成長のためには、富裕層に対する増税など、政府の積極的再分配政策が必要だという政策勧告も出した。
経済協力開発機構は9日(現地時間)、 “所得不平等が経済成長に及ぼす影響”というタイトルの報告書を出し、「1980年代には所得上位10%が所得下位10%より7倍多い所得を得ていたが、現在は9.5倍になっている」として「所得不平等は経済に巨大な否定的影響を与えている」と明らかにした。 報告書は“所得不平等の拡大は成長に影響を及ぼした最も大きな単一変数”と強調した。アンヘル・グリア経済協力開発機構(OECD)事務総長は「深刻な(所得)不平等の解消が強力で持続可能な成長のための核心要素という事実が今回確認された。 (各国の)政策も即刻これ(所得不平等)に焦点を合わせなければならない」と主張した。
報告書は、所得不平等が成長の障害物として作用する通路として“教育”を挙げた。 報告書は「所得不平等の拡大はきちんとした教育を受けられなかった両親を持つ人々の熟練度の改善を低下させた。 低所得層は質的にも量的にも教育不足に苦しんでいる」と指摘した。 所得不平等が低所得層の教育不足を産み、経済成長の阻害にまで至るということだ。 これについて経済協力開発機構は“不平等が成長に影響を与えるメカニズムを示す新たに発見された証拠”と強調した。
経済協力開発機構は各国政府に対し、積極的再分配政策を要求した。 報告書は“所得不平等を減らす最初の政策は租税改革だ。租税改革は経済全般の効率性と公平性を高める”と指摘した。 報告書は“最高税率の引き上げ、、各種の非課税・減免措置の縮小等を通して富裕層の税負担を増やさなければならない”として“富裕層の所得比重が大きい資本所得に対する課税を強化しなければならない”と主張した。
報告書は、国民に良質の公教育を提供し、健康保険サービスを強化するために政府が積極的な財政支出をしなければならないという助言もした。 また、低熟練労働者のための働き口連係教育プログラム、生涯公教育システム構築のような積極的労働市場政策も必要だと注文した。 報告書は“安定的経済成長のためには、各国政策担当者が“貧困退出”だけに(単純に)目を奪われてはならない」と強調した。