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借金爆弾残して…消えた‘龍山(ヨンサン)蜃気楼’

登録:2013-03-14 08:07 修正:2013-03-14 14:27
31兆‘誇示性開発’破局
施行会社、利子52億 結局払えず
法定管理に進むか、破産手続き
‘超高層ビルの森’開発 過欲
龍山国際業務地区開発事業の鳥瞰図

 オ・セフン前市長が規模を拡大し、31兆ウォン規模のソウル龍山国際業務地区開発事業が7年目にして破産への崖っぷちに追い詰められた。 相場差益を狙った30の出資会社が巨額の投資金を失うのはもちろん、開発区域に含まれた西部二村洞(ソブイチョンドン)の住民たちが大きな被害を受けるものと見られる。 開発利益を狙った‘蛾’のような民間企業らと誇示性開発プロジェクトを押しつけたオ・セフン前ソウル市長の過欲が呼び起こした災難という評価が出ている。

 13日、龍山国際業務地区開発事業の資産管理委託会社(AMC)の龍山駅勢圏開発(株)はこの日午前までに返すことにしていた金融利子52億ウォンを払えず、債務不履行(デフォルト)状態に陥ったと明らかにした。 問題の52億ウォンは前日満期に達した2000億ウォン規模の資産担保付企業手形(ABCP)の利子だ。 今回の債務不履行により計8回にわたり発行した総額2兆7000億ウォン規模の企業手形全額が不渡処理される可能性が高まった。 龍山開発を総括する施行会社ドリームハブ プロジェクト金融投資(龍山駅勢圏開発の親会社格)は来月初めまで回復可能性を確認した後、法定管理(企業回復手続)を申請するか、清算手続きを踏むものと見られる。

 ‘檀君以来の最大開発事業’と呼ばれた龍山国際業務地区開発事業は2006年に第一歩を踏んだ。 2005年公企業としてスタートしたコレイルは京釜(キョンブ)高速鉄道建設費用で積もった国家債務4兆5000億ウォンを一手に引き受けた。 今は黒字を出している高速鉄道事業もまた、導入初期には実績不振だった。 コレイルが毎年数千億ウォンずつ積もる赤字売上に耐える余力がなく、政府は鉄道経営正常化対策を出した。 コレイルがソウルの‘貴重品’である龍山地域に保有していた車両基地に注目した対策だった。

龍山(ヨンサン)国際業務地区開発事業の資産管理委託会社である龍山駅勢圏開発(株)が12日深夜12時までに返す筈の資産担保付企業手形利子52億ウォンを払えず破産手続きに入った。 龍山国際業務地区の開発予定地から撤去された龍山駅鉄道整備厰跡に13日午後、黒い暗雲が覆っている。 リュ・ウジョン記者 wjryu@hani.co.kr

 コレイルの最初の失策は車両基地の敷地を売却し借金を解決するにとどまらず、開発事業に参加したことだった。 コレイルは2006年三星(サムスン)物産コンソーシアムに敷地を売却する一方、持分29.9%を投資して開発事業に足を漬けた。 コレイル関係者は「今は後悔しているが、当時としては投資収益があると判断した」と話した。 コレイルのこのような決定をむやみに非難することはできないという意見もある。 公共運送手段として赤字に耐えなければならない世界の鉄道公企業は広い鉄道周辺土地を開発し、その差益で財政健全性を維持している。 ‘鉄道の国’と呼ばれる日本の日本鉄道グループ(JRグループ)もやはりホテル、民間駅ビル開発などの不動産業で収益を上げている。

 龍山国際業務地区開発事業が決定的に行き詰まり始めた変曲点は、2007年‘漢江(ハンガン)ルネサンス プロジェクト’と関連したことだった。 ソウル市はオ・セフン前市長の‘漢江ルネサンス プロジェクト’に龍山国際業務地区開発事業を含ませた。 コレイルは当初、龍山車両基地の敷地のみを開発することを提案したが、開発事業に対する許認可権はソウル市が握っていた。 結局、ソウル市は龍山区(ヨンサング)西部二村洞(ソブイチョンドン)一帯を事業圏域に含ませることにして、2007年8月コレイルと合意文を作成した。 不動産景気は活況であったし、ドバイに建てられた世界最高層ビルである‘ブルジュ・ハリーファ’(ブルジュ・ドバイ)に代表される都市開発神話は建設業界と政界に広く広まっていた。

 しかしそのためにドリームハブ プロジェクト金融投資は3兆ウォンの補償費追加に耐えなければならなかった。 また、2200余世帯程度の西部二村洞の住民たちとの意見調整のために着工時期はますます遅れた。 これに伴う金融費用だけで1兆ウォンに及んだ。 ソウル大環境大学院のキム・ギョンミン教授(都市工学)は「龍山開発事業失敗の責任者は誰がなんと言ってもオ・セフン前ソウル市長」と言い切った。 彼は「コレイルの当初計画どおり鉄道基地だけを開発していれば、すでにビルが全て建っていたはず」とし「このような大規模工事を段階を経ずに一度に推進して、そこに民間補償問題など難題を背負わせたのでは、世界のいかなる開発業者が入ってきたとしても破産せざるを得なかっただろう」と話した。

 その間に不動産バブルは消え始めた。 グローバル金融危機が世界経済を揺るがし建設業者の基礎体力を蚕食したし、増大する金融費用、遅々として進まない補償問題に事業性は低下した。 オフィスビル中心(業務施設+商業施設)の事業計画もやはり負担になる状況となった。 景気鈍化でソウル地域に建った商業施設の空室率が高まり始め、2008年当時の1%余から今では6%を行き来している。 開発利益を狙った建設資本は徐々に手を引き始めた。 結局、開発事業の一つの軸だった三星物産は2010年龍山駅勢圏開発(株)の持分を放棄して、事業主管社の地位を投げ出した。 持分を譲り受けたロッテ観光開発はウリ金融持株会社会長出身であるパク・ヘチュン現会長を迎え入れ事業を再稼働しようとしたが、動力を失った開発事業に酸素呼吸器を付けた格好だった。 わずか52億ウォンを用意できずに債務不履行状態に入ったが、最近 施行社であるドリームハブ プロジェクト金融投資に資本金を支援するため2500億ウォンの転換社債発行に参加した業者は30ある出資社の中でただの1社もなかった。

 建築界は「来るべきものが来た」という雰囲気だ。 ソウルの真ん中に位置した重要な地域であり、長い歴史性を持った土地を、一日で超高層ビルの森にして開発利益を手に握ろうという発想自体が都市と建築に対する哲学の不在ということだ。 また、龍山にできる建物の設計を名品ブランドを購入するように全て海外のスター建築家に依頼した点も多くの論議を呼び起こした。 海外建築家が出した建築デザインは、ソウルと龍山の特性、そして地域の文化的意味に対する理解もなしに外見ばかりが華麗だというのが建築界の大半の意見だった。

 重鎮建築家であるキム・インチョル前中央(チュンアン)大教授は「龍山開発は都市と建築を本質的に誤って扱った代表的類型」とし「ありもしない、きらびやかな鳥瞰図一つで都市が作れるという発想、そして建築を見せるための道具としてのみ扱う方式の全てが問題であった」と話した。

ノ・ヒョンウン、チェ・ジョンフン、ク・ボンジュン記者 goloke@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/577920.html 韓国語原文入力:2013/03/13 23:01
訳J.S(3006字)

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