[ハンギョレ21 2009.04.10第755号]
[特集]惨事起きた4区域 他でも随所に再開発狂風…
住民・官庁・組合・借家人の間に絡まる葛藤 爆発前夜
□チョン・チョンフィ,イム・ジュファン記者
韓国社会で土地ほど強烈に人々の欲望が投影される空間はない。だから土地にはいつでも占めた者と追い出された者の歴史が彫られている。ソウルの中心であり漢江と触れ合う地理条件を備えた龍山は土地の悲しい運命を雄弁に語る。1905年には露日戦争で勝った日帝がここに軍事・鉄道基地を建設した。ファン・ヒョンウン<梅泉野錄>で「倭人らが崇礼門から漢江に達する区域を勝手に吉凶を占い軍用地という札を立て境界を定めて我が国の人々が侵さないようにした。この時から彼らがしようと思うところがあればいつも軍用地という名目で奪っていった」と書いた。解放と共に龍山の主人は米軍に変わった。駐韓米軍司令部,米8軍司令部などが入った龍山の地には米軍と米軍属など2万人余りが集まって来た。
←去る1月惨事が起きたソウル,龍山区4区域,南一堂のすぐ横の建物にメディア団体などが4月3日‘ロウソクのあかりメディアセンター’と‘ロウソクのあかり放送局’を開いた。‘オン&オフ’舞踊団が開所式に合わせて建物前道路で龍山惨事犠牲者たちを称える公演をしている。 写真<ハンギョレ21>リュ・ウジョン記者
外勢侵奪の辛い歴史を胸に畳んだ龍山
21世紀に入り米国基地移転が表面化する頃から龍山には民間の荒々しい再開発風が押し寄せた。軍事的必要にともなう規制と開発圧力のきっ抗した緊張の中、沈黙が叫声に変わる瞬間だ。どんな土地にも小さな隙間だけ見えてもアパートを建ちあげてきた‘再開発連合体’がよだれを垂らしながら龍山に気を遣ったのは必然だ。彼らは養鶏農家の一軒とてない龍山を‘ソウル最後の黄身’と呼ぶ。
土地を占めようとする者と、その土地から追い出される者のドラマも本格化した。主演は‘再開発連合体’の核心である財閥建設会社と整備用役業者,撤去用役業者,官庁などだ。開発利益を独占する大部分の土地主人らが沸き上がる地価に嬉しい悲鳴をあげ、ドラマを見ている間に端た金で追い出される借家人たちは苦痛の悲鳴をあげる。ビヤホールや食堂などを運営していた借家人たちと警察官など6人が命を失った去る1月20日の南一堂ビル火災事件は龍山で封切りを前にした巨大な悲劇の序幕に過ぎないのかもしれない。
2008年龍山地区単位計画区域,事業現況図を見ると、龍山には10ヶの特別計画区域,5ヶの都市環境整備区域,1ヶの住宅再開発事業が進行中または最近完了した。ここには事業費だけでも28兆ウォンが投入される単一開発としては檀君以来最大規模という国際業務地区造成計画も含まれている。事業現況には含まれていないが、漢南洞など一帯のニュータウン事業も4月3日に整備計画が発表され、出発の銃声が鳴った。龍山全体が工事現場であるわけだ。
再開発過程で生じる葛藤はすでに随所にあらわれている。惨事が起きた4区域のまさに道の向かい側にある2区域借家人たちは「私たちも望楼を立てる高い建物を探している」と話した。やはり補償金に対する不満のためだ。4区域でもたらされた惨事が繰り返されるかも知れないという危機感が増幅される場面だ。西部二村洞地域も補償計画が不明確なままソウル市が再開発をゴリ押しして住民たちの荒々しい反発をかっている。この外にもこの間、事業推進が遅々として進まなかった漢南ニュータウン地域は既存の再開発組合推進委と区庁間の葛藤が悪化の一路を辿り、すでに事故がおきた4区域もまた不透明な組合運営のためにあらゆる訴訟が列をなしている。
土建共和国に向かってひた走る暴走機関車にブレーキはない。再開発に対して深刻に見直さない限り、現在龍山で起きている事件はいつどこででも再現されうる私たちの社会の未来でもある。今龍山を振り返らなければならない所以だ。
西部二村洞:ソウル市・施工社と住民の衝突
「私有財産を強奪するソウル市長は退け。」「個人行動は死です。同意書拒否だけが生きる道です。」「三星と野合して住民を排除するソウル市の独裁開発絶対反対」
一方的事業計画発表で住民反発
去る3月18日ソウル,龍山区,西部二村洞.ドンウォン・テリム・ソンウォンアパートなど8棟のアパート壁面はソウル市と三星を非難する横断幕で埋め尽くされていた。アパート警備室前には施行社である(株)龍山駅勢圏開発職員の出入りを禁止する立看板が立ち、住民たちが外部出入り者を監視するために設置した簡易テントはここの殺伐とした雰囲気をそのままに表わしている。ここではどんなことが起きているのか?
当初KORAILがこの地域の道の向かい側の鉄道整備廠敷地44万2千㎡を国際業務地区として開発しようとした。ところが2007年ソウル市が鉄道整備廠敷地に西部二村洞(12万4千㎡)まで合わせ56万5千㎡を統合開発するようにKORAILに提案し合意がなされた。ソウル市と住民たちの葛藤の始まりだった。
ソウル市はオ・セフン市長の‘漢江ルネサンス’計画により、漢江と整備廠敷地を分断しているこのアパート地域を統合し開発することが効率的だと見ている。中国から龍山まで行き来する船が留まる船着き場施設を作れば国際業務地区の機能を全て遂行できるというのがソウル市の論理だ。28兆ウォンに達する事業費調達などのためにソウル市と金融機関,建設業者など30ヶの出資者がコンソーシアムを設け民間開発方式で事業を推進している。
←龍山区全体開発計画現況(※イメージをクリックすれば大きく見ることができます)
この過程でソウル市が地域住民たちと特別な協議もなしに事業計画を一方的に発表し、住民たちの反発を大きくした。生活の基盤を再開発すると言いながら、アパート住民たちにどんな補償がなされるのか、具体的に明らかにすることもせずに開発に同意するという印鑑を先に捺せと言われて誰が同意できるかということだ。こういう反感は全住民2200余人の中の半分ほどが暮らしているドンウォン・テリム・ソンウォンど3ヶのアパート住民たちから極端に表出されている。このアパートの住民たちが設けた非常対策委員会は、全住民の86%以上が署名した統合開発反対同意書を昨年ソウル市に提出した。また住民の50%の同意さえ集めれば残り半分の意志とは関係なく開発ができるようにした都市開発法は違憲とし憲法訴訟も提起した。非常対策委側住民40人余りは3月18日パク・チャンギュ龍山区庁長秘書室を占拠座り込みし解散を要求する警察と対立もした。
‘ソンウォンアパート統合開発反対非常対策委員会’のソン・シフン総務は「昨年ただ一度きり住民説明会をしたのを除いてはアパート住民の居住権がかかった問題に対してソウル市や施行社側から住民たちの同意を求めようとする努力が全く見られなくなっている」として「ソウル市は統合開発計画を直ちに撤回しなければならない」と話した。 しかしソウル市都市計画局のハン・ユソク 龍山地区チーム長は「市で専門家の諮問を受けた結果、既存敷地に西部二村洞地域まで含めれば国際業務地区のシナジー効果があると判断し開発計画をたてたもの」として「事業推進体系上、補償は鑑定評価をしてみなければ知りえないのに、その前にあらかじめ補償額を提示してくれという住民たちの主張は受け入れにくい側面がある」と話した。
施工社,三星に対する批判世論も沸騰
建てて3~15年にしかならないアパートを壊そうとすることも問題だというのが住民たちの見解だ。また施行社である(株)龍山駅勢圏開発が同意書を厚めに通う過程では脅迫もはばからなかったと非常対策委側は主張した。会社側が「同意書受付初日に同意書を提出すれば3500万ウォンの現金補助金を支給する」としつつ「同意しない住民には民間開発の恩恵と大型住居入居権を与えない」という広報物まで配ったということだ。これに対して、この会社のキム・ビョンジュ広報チーム長は「説明会でなくとも別途の広報館とホームページを運営するなど積極的な広報活動を繰り広げている」として「事業遅延にともなう利子費用だけで一日に数億ウォンずつかかる状況で、早く印鑑を捺してくれた方々にインセンティブを与えるのは当然のこと」と話した。3月31日には(株)龍山駅勢圏開発が地主のKORAIL側に払わなければならない全体土地買入代金8兆ウォン中の2次中途金8千億ウォンの納付期限を過ぎ、事業は序盤から難関に直面した状態だ。
住民たちはソウル市とともに三星グループを主要な批判対象としている。三星物産と三星生命,ホテル新羅など三星系列会社らが(株)龍山駅勢圏開発に占める持分は14.3%であり、KORAIL(25%)とロッテ観光開発(15.1%)に続き三位だが、事実上主幹社の役割を三星物産が受け持っているためだ。
アパート住民たちの強い反感とは異なり、近隣示範アパートや一戸建て住宅に住む住民たちの間には今回の事業施行を歓迎する雰囲気もかなりのものがある。該当地域のある不動産業者は「この地域住民30%以上がすでに同意書に印鑑を捺したと理解している」として「はやく同意書に印鑑を捺して補償費を受け取るのがむしろマシだと見ている」と話した。
ピョン・チャンフム世宗大教授(行政学)等、専門家たちは住民の半分の同意さえ得れば、残りの住民たちの土地を事実上強制収容できるようにした現行 ‘都市開発法’ は住民の居住権を侵害する性格が濃厚であり住民の3分の2以上の同意を得るように法を改正するのが望ましいと見る。市の都市開発政策により事業がなされる場合には都市開発法が適用され、一般住宅再開発事業には都市および住居環境整備法が適用されるが、後者では住民の80%の同意を受けて初めて事業推進が可能となる。ナム・チョルクァン城東住居福祉センター局長も強制収用と関連した法・制度が住民の権利を強化する側に転換されなければなければならないと指摘した。ここのように市の都市開発計画を反映するものの、実際には民間開発の形式を帯びる場合には住民同意を集める際に、開発利益を推定しどのように戻すのか絵を予め出しておくことも必要だ。
←龍山国際業務地区造成計画に反対する西部二村洞住民たちが去る3月18日午後、龍山区庁長秘書室で区庁長面談を要求して座り込みを行っている。 写真キム・ジョンヒョ記者
漢南ニュータウン:組合推進委と区庁の葛藤
去る4月3日、整備計画に対する住民供覧に入った漢南ニュータウン地域も近い将来 ‘深刻な問題’ として浮上する雰囲気だ。漢南ニュータウン事業は漢南洞と普光洞,梨泰院洞,西氷庫洞など109余万㎡を合わせるマンモス級再開発事業で、民間主導の単一ニュータウン事業としては面積が最も広い。
問題は龍山区庁側が2000年代初期に結成された既存の再開発組合設立推進委員会を認めないとして拡大した。パク・チャンギュ龍山区庁長は龍山4区域惨事が起きた去る1月20日、普光洞住民センターで開いた‘2009新年の挨拶会および動静報告会’で「開発をすると言ったら普光洞・西氷庫洞一帯にソウル市のブローカーたちがみな集まった」として「この人たちは(建設)会社から数十億ウォンずつ受け取ったので洞民たちが追い出さなければならない」と明らかにした。既存推進委を狙い打ちした言葉だ。龍山区庁都市計画課関係者も「既存推進委らは不正・不法を犯した可能性が高いというのが事実なので、この前この地域で‘ドリームチーム’と呼ばれる三星物産・大林・ポスコ・現代産業開発の4社を呼び、今後(既存推進委に)金を与えないように釘を刺した」と話した。
パク・チャンギュ龍山区庁長「ソウル市のブローカーたちがみな集まった」
区庁は4月初め、漢南ニュータウン地域の7800余人の地主らに一斉に公文書を送りもした。区庁は公文書で「堅実な組合設立推進委組織の構成如何に漢南再整備促進事業の成否がかかっている」として「慎重に考え透明・公明正大・堅実な組合設立推進委に同意書を提出してくれ」とお願いした。こういう主張はすぐに経済正義実践市民連合(経実連),分かち合いと未来などの市民団体が ‘建設会社が種銭を与えて推進委を支援した後、これらが後ほど組合を設立すれば建設会社に特典を与えるような再開発コネクション’と批判してきたことと脈が通じるようだ。
だがすでに50%以上の住民同意書を受け取った既存推進委側は区庁が明確な根拠もなしに自分たちが腐敗したと世論集めをしていると反発する。もし不法があるならば法的に対応をすれば良いことであり、区庁が推進委構成に対して‘柿置け、ナツメ置け(ああしろこうしろ)’言ってはならないという論理だ。漢南ニュータウンのある推進委員長は「区庁の方針通りならば、最近組まれて活動中の単一な新しい推進委側を区庁が推す格好でしかない」として疑惑の眼差しを送った。しかし新しい推進委側関係者は「既存推進委らは私たちと互いに競争する状態だが、相手をけなして良いことはない」として言葉を慎んだ。ク・チョルフェ龍山区庁ニュータウン推進チーム長も「住民たちが(既存推進委の)誤ちを知らずに損をすることになるのを防ぐという趣旨」として「当然、自治団体長はそのような義務があるという法律諮問を受けて行っている」と話した。
この他に漢南ニュータウン地域が各種高度制限地区,水辺地区などに指定され、低層開発が推進されれば開発利益がほとんど出ないという点も一部地域住民たちの不満だ。漢南ニュータウン地区のある推進委員長は「事業が5年以上も遅れる過程で各種 ‘分かち合い’ が横行し組合員数がものすごく増えた」として「現在計画のとおり低層開発になるならば組合員たちさえも事業が終わった後に入居できない人が出てくるだろう」と主張した。
専門家たちも概して既存推進委の問題点を認める。ある再開発専門家は「これら推進委が施工権を確保しようとする建設会社の利益を代弁する水準に転落しているという指摘に一理がある」と話した。それでも区庁が早くから既存推進委を否定し、新しい推進委を擁護するような姿勢を取るのは適切でないというのが専門家たちの見解だ。ユン・スンチョル経実連市民監視局長は「住民たちが変えようといってするならば別だが、区庁が組合推進委員会を置き換えるということは望ましくない」と指摘した。事業推進により推進委設立申告を受ける時に法的要件を問い詰めブレーキをかければそれで済むということだ。低層開発にともなう問題に対しては、開発利益を保障しようとする目的で容積率を高めてあげることにはならないという意見が専門家たちの大勢だ。
龍山駅2・3区域:組合・官庁と借家人の対決
←原初的欲望が露わになった龍山駅前性売買集結地の姿。この地域の欲望は性から土地に移っている。 写真<ハンギョレ21>パク・スンファ記者
エイプリフールの4月1日午後、龍山駅前。惨事現場の南一堂ビルから大通りのすぐ向い側にあるここは‘龍山駅前面2・3区域’として昨年すでに管理処分認可が出た。こちらで会った商店街借家人たちは期待より低い営業損失補償金に怒り心頭に達している。
2001年に入居し保証金2千万ウォンに月100万ウォンの家賃を払いチキン店を営業しているというC(64)社長は組合が3600万ウォンを提示し、鑑定評価に問題があると考える他の商店街借家人らと共にソウル地方土地収用委員会を通じ中央土地収用委員会にまで異議提議をしていると語った。3区域借家人の彼は「大部分カード決済で1ヶ月に2千万ウォン程の売上がある」として、実際に帳簿を見せた後「8年前に開発の情報も知らないまま入ってくる時にかかった権利金7千万ウォンを全額出せということはできない相談だろうが、3ヶ月分の営業損失補償金として3600万ウォンだけ受け取り出て行けというのはひどいではないか」と話した。彼は4月6日までに補償金を受領して出て行けとの組合側の2次通告にも応じないこととし、「すぐそばの4区域惨事を見て、亡くなった方々には申し訳ない話だが私たちは少しはマシになるだろうと思ったものの現実は全くそうではない」と話した。彼は組合補償金だけ持って出て行けば、他の所で商うのも難しいとしながら「私たちも4区域借家人のように、そのようにしなければならないか」と話した。
“私たちも4区域借家人のようにするしか”
同じ区域でスーパーマーケットを営業しているある借家人もため息をつくのは同じだった。地主らが10余年で6~7倍程に跳ね上がった地価の甘さを味わう今、借家人たちは怒りが爆発しそうだと言った。権利金5千万~1億ウォンずつ払って入ってきて商売しているというのに、2千万ウォン台の補償金だけ受け取って出て行ったら何をして暮らすのかということだ。こういう商店街借家人が3区域だけでも120人余りが踏みとどまっている。
2区域で会ったある借家人兼スーパーマーケット主人は「ここは火薬庫」と言った。4年前に1億ウォンの権利金を与えるから貸切権を売れとの提案を断ったが、今回出てきた補償金は2900万ウォンだと言った。彼は「いくらなんでも8千万ウォンにはなるべきじゃないか」と話した。
惨事が起きた4区域と同様に商店街借家人らに対する補償金問題は2・3区域でも同じように拡大している。特に2区域の場合は20人の商店街借家人が強硬対応方針を明らかにしている。ソウル地方土地収用委員会決定を待っているという2区域商店街借家人協議会ムン・ネス総務は「(補償金問題に対して)結局、行政訴訟に行くほかはないようだ」として「この頃は(望楼を立てる)高いビルを探してみている」という話でこれらの雰囲気を伝えた。彼は「全撤連が良いというのではなく、私たちの力だけではどうにもならないから力を借りるためにこの頃は全撤連側と連係しようと接触中」と話した。
2・3区域には性売買集結地も位置している。補償金問題を提起する一般商店街借家人130人余りだけでなく100人余りに達する置屋借家人問題まで重なり、より一層複雑な様相を帯びている。本人が家賃を得て直接売春をしているキム・ミンジ(38・仮名)氏は「正しく計算された補償金額が出てこなければ私自身の売春事実を暴露する方式を通じて建物主人もただではおかない」と話した。置屋借家人らは「組合が借家人の売春事業主らに1500万~2千万ウォン程度の補償金だけを与えるという言葉をずっと流していて、鑑定評価自体を妨げている」として「開発後の一般分譲配分に対する優先分譲権でも求めて要求している」と話した。
これについて2区域組合のヨン・チェウン理事は「4区域の惨事を繰り返してはいけないという考えを持って円満に処理しようとしている」として「3,4回鑑定評価を試みたが、借家人対策委側が邪魔したせいでまともにできなかった」と明らかにした。
根本的に地主らが開発利益をすべて持っていくようになっている再開発制度の改善が必要だ。借家人に対する補償問題は鑑定評価制度の改善とも関わりあう。個別に異なる現場借家人の状況を十分に反映できる鑑定評価をしない限り、葛藤は続くほかはない。3ヶ月分に相当する営業損失補償費を4ヶ月分に増やすという政府対策は付け焼刃処方という指摘も起きている。ユン・スンチョル経実連市民監視局長は性売買集結地問題に対しても一般原則を適用するべきだと見る。ユン局長は「彼らも大韓民国国民であり、他の一般借家人と区別する理由はない」とした。
龍山4区域:組合と組合員間の訴訟
惨事にもかかわらず撤去を再開した国際ビルディング周辺龍山4区域も騒々しいのは同じだ。組合行政の不透明城を巡って組合と組合員の間に訴訟が相次いでいる。
4区域の一部組合員らで構成された非常対策委側は昨年、組合長をはじめとする組合理事4人を都市および住居環境整備法違反疑惑で告訴した。都整法81条などにより設計・施工・撤去・整備用役業者との契約書は組合がインターネットに公開したり組合員の閲覧・謄写要請がある時に公開するべきなのにこれを公開しなかったなどの理由であった。告訴された4人の内、罰金100万ウォンずつで略式起訴された2人は正式裁判を請求し現在1審が進行中だ。
非常対策委関係者は「前回惨事直後、組合側から私たちが要求した書類を一週間以内にコピーして送ると言っておきながら、まだ送らないでいる」として「組合員が用役企業等の事業参加提案書でもない組合との契約書を供覧申請したのに見せず、これに訴訟まで提起したのに見られないというのが話になるか」と話した。他の組合員も「組合が個別組合員の鑑定評価額全体も公開せずにいる」として不満を吐露した。
組合運営巡って23ヶ訴訟提起される
そうするうちに組合を相手どった各種訴訟が相次いでいる。4区域組合が昨年11月出した情報誌によれば、この間計26件の訴訟が組合を相手に提起されたが、この内の相当数は組合の不透明な運営と関連するものだ。組合が管理処分計画を決議する総会を開き、組合員らに法定期日内に内容を通知しなかったとか、整備・分譲用役費が過度に多いとなどの論議だ。
4区域組合側のオ・ドンニョル弁護士は「法的な争点は裁判所で判断する問題」として「理事会議録などの供覧・謄写はしないということではなく、火災惨事直後ペ・某氏などが持っていった撤去契約書が言論など外部に流出した過程を先に確認してくれというのが組合の立場」と話した。
組合行政を透明化しようとすれば、民間再開発と言っても整備計画樹立と鑑定評価,会計業務などに再開発事業の許認可権者である地方自治体が積極的に参加するように制度を改善する必要がある。住居関連市民団体である‘分かち合いと未来’のイ・ジュウォン局長は「合法的な情報公開要求を無視する組合幹部と行政官庁に対する処罰を強化し、特に会計監査は第三者の公認機関や公共に公式的・強制的に任せるようにしなければならない」と話した。土地住宅公共性ネットワークは現在公開するようになっている各種契約書だけでなく組合の会計帳簿などの情報までも組合員10分の1以上が要求する場合に公開するようにする都市および住居環境整備法の改正を推進中だ。
現在、龍山を支配するのは市庁と区庁,地主,建設会社,用役会社などの節制されない欲望だ。熱く燃え上がるこの欲望の塊りは、すでに南意一堂ビルを一度席巻した。6人の命が火花と共に逝ってしまった後にも私たちの社会はこの火だるまを統制する勇気と知恵を見つけられないようだ。土地に向けられた皆の欲望を省察し、制度の乱脈を細密に点検しない限り、火に焼けた望楼は龍山の現在であり大韓民国の未来だ。
チョン・チョンフィ記者symbio@hani.co.kr・イム・ジュファン記者eyelid@hani.co.kr
原文:http://h21.hani.co.kr/arti/special/special_general/24723.html 訳J.S