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[WBC]堂々と立ち向かおう、大谷のように

登録:2023-03-23 06:24 修正:2023-03-23 08:46
決勝前に「憧れてしまったら超えられない」 
仲間たちに堂々とした勝負呼びかける…WBC優勝の求心点の役割 
同僚のヌートバー「歴史上最も偉大な選手かもしれない」
大谷翔平(日本)が22日(韓国時間)、米マイアミで行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の決勝戦で、米国に勝利した後、優勝トロフィーを手にして喜んでいる=マイアミ/USAトゥデイスポーツ・聯合ニュース

 「彼らを憧れるのは辞めましょう。やっぱり憧れてしまったら超えられない。僕らは今日超えるために、トップになるために来たので、今日1日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう」

 大谷翔平(日本)が22日(韓国時間)、米マイアミで行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)2023の米国との決勝戦を控え、日本代表チームの同僚たちにかけた言葉だ。「夢の舞台」大リーグでプレーする米国代表の年俸総額は3億7790万2500ドル。野球大国の米国に対し、臆せず堂々と立ち向かうことを呼びかけたのだ。日本代表の選手たちは最後まで集中力を失わず、3対2で勝利し、7戦全勝で2006年と2009年に続き14年ぶりの世界一に返り咲いた。

 9回表2死後、大谷がエンゼルスのチームメイトでもある現役最高のバッター、マイク・トラウトを時速100マイル(161キロ)前後の剛速球で攻め込み、フルカウントで虚を突いた変化球(時速140キロ)で空振り三振に仕留めたのは、大会最高の名場面となった。トラウトは試合後、「彼は恐ろしいボールを持っており、最後に私に良いボールを投げた」と敗北を認めた。

 大谷は大会中投打で活躍し、日本代表チームの求心点の役割を果たした。準決勝のメキシコ戦で、4対5にリードされていた9回裏、先頭打者として打席に出て2塁打を放った後は感情をあらわにし、仲間たちの闘志を引き出したりもした。今大会で大谷は「投手」としては3試合に登板し、2勝1セーブ、防御率1.86(9イニング3分の2、被安打5、奪三振11、失点2)を記録し、「打者」としては7試合で打率0.435(23打数10安打)、1本塁打8打点9得点の成績を収めた。決勝戦は6回以降、ベンチとブルペンを行き来しながら投打に備えた。当然、大会最優秀選手(MVP)は大谷のものだった。彼は投打で共にオールスターにも選ばれた。

 大谷は地元メディアとのインタビューで「(9回登板した時)緊張したが、何とか抑えられてよかった。ゲッツーになって最高の形で(トラウト選手を)迎えることができて、最高の結果になったのでよかったなと思う」とし、「自分のベストを超える球を投げないと抑えられないと思っていた」と話した。また「日本代表選手たちと一緒にプレーできて楽しかった。日本だけじゃなくて、韓国もそうですし台湾も中国も、その他の国も、もっともっと野球を大好きになってもらえるように、その一歩として優勝できたことがよかったなと思うし、そうなってくれることを願っている 」と語った。WBCを経て大谷の人気は急上昇し、彼の個人インスタグラムのフォロワー数は400万人を超えた。

 元メジャーリーガーで「FOXスポーツ」のアナリストのジョン・スモールツは、日本対メキシコ戦を中継しながら「大谷は打撃の練習をしながら相手投手を研究しなければならず、同時にブルペンで投球をしながら6日に1度先発出場する準備を整えなければならない。二刀流は本当に大変であることを他のビッグリーガーはあまり分からないだろう」と話した。二つのポジションをこなすために昼夜を問わず練習に没頭する大谷に敬意を表した。

大谷翔平(日本)が22日(韓国時間)、米マイアミで行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の決勝戦で米国に勝利した後、チームメートと喜びを分かち合っている=マイアミ/EPA・聯合ニュース

 米国代表チームのマーク・デローサ監督は、「大谷が今やっていること(二刀流)は、おそらくクラブハウスにいる90%の選手がリトルリーグやアマチュア時代に経験したことだが、彼はそれを世界一の大舞台でやってのけた」とし、「大谷は野球のユニコーン。他の選手もトライはするだろうが、彼のレベルでできる人はいないと思う」と語った。日本代表チームで一緒にプレーしたラーズ・ヌートバーは大谷について「彼は世界最高の野球選手であるだけでなく、世界最高のアスリートでもある。彼は歴史上最も偉大な選手かもしれない」と絶賛した。

 時々野球場のゴミを拾うなど、彼の美談は絶えない。大谷は今大会で野球に対する情熱を見せてくれたチェコ代表チームについて、インスタグラムで尊敬の意を表した。彼は米マイアミに入国する際、チェコ代表チームの帽子をかぶっていた。「FOXスポーツ」は「大谷を長い間知っている人はもちろん、一度しか会っていない人々でも彼のキャラクターに深い印象を受ける。彼はスーパースターだが、すべての人に親切だ」と話した。

 大谷は二刀流を貫く理由についてこう語っている。「打って投げること、それが僕の知っている唯一の野球だ。一つだけに絞るのは僕にとっては不自然だ。他の人たちがしないこと(二刀流)をするのは才能かもしれないが、それは僕にとってごく自然なことだ」

 打って、走って、投げて、ゴミまで拾って、地球上で一番忙しい野球選手、大谷翔平。初出場のWBCで野球漫画よりもドラマチックな結末を作り出し、伝説を塗り替えた。翔平の「ショータイム」はこれからも続くだろう。

キム・ヤンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/sports/baseball/1084707.html韓国語原文入力:2023-03-2300 2:11
訳H.J

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